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第30回:臨床栄養学

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 問題全文

30-115 患者の栄養管理に関する記述である。誤っているのはどれか。1つ選べ。
(1)栄養管理により、疾患の治癒が促進される。
(2)栄養管理により、入院期間の短縮が期待される。
(3)クリニカルパスには、栄養指導を含めない。
(4)栄養サポートチームは、患者のQOLを優先する、
(5)インフォームドコンセントが必要である。

30-116 寝たきりの患者の身長を推定するための計測項目である。正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)頭囲
(2)上腕周囲長
(3)ウエスト周囲径
(4)下腿周囲径
(5)膝下高

30-117 経腸栄養補給法が禁忌となる患者である。正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)口腔がん術後
(2)食道がんによる通過障害
(3)胃食道逆流症
(4)下部消化管完全閉塞
(5)脳卒中後の意識障害

30-118 静脈栄養補給法に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)末梢静脈栄養では、一日に2,000kcalの輸液を行うことができる。
(2)末梢静脈栄養では、血漿浸透圧の5倍濃度の溶液を投与できる。
(3)末梢静脈栄養では、アミノ酸濃度30%の溶液を投与できる。
(4)中心静脈栄養の基本輸液剤には、セレンが含まれる。
(5)中心静脈栄養では、ビタミンB1の投与が必要である。

30-119 長期絶食患者への栄養補給開始後のモニタリングに関する記述である。誤っているのはどれか。1つ選べ。
(1)リフィ―ディング症候群(Refeeding)症候群の評価には、血清リン値を用いる。
(2)エネルギー投与量の評価には、体重の変化を用いる。
(3)たんぱく質投与量の評価には、窒素出納を用いる。
(4)糖質投与量の評価には、血清クレアチニン値を用いる。
(5)水分投与量の評価には、水分出納を用いる。

30-120 食品が医療品に及ぼす影響に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)クロレラは、ワルファリンの効果を減弱する。
(2)納豆は、HMG-CoA還元酵素阻害薬(スタチン)に効果を増強する。
(3)グレープフルーツは、カルシウム拮抗薬の効果を減弱する。
(4)牛乳は、ビスホスホネート薬の効果を増強する。
(5)セント・ジョーンズ・ワートは、スルホニル尿素(SU)薬の効果を増強する。

30-121 医師から1,800kcal/日の指示で、糖尿病患者に対する栄養指導を行った。患者は、40歳、独身男性。BMI26kg/m2、HbA1c8.0%。食事は購入した惣菜中心とのことであった。現在のエネルギー摂取量は2,200kcal/日。この症例におけるSORPと記録の組合せである。正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)S――医師の指示エネルギー量1,800kcal/日
(2)S――HbA1c8.0%
(3)O――食事は購入した惣菜中心
(4)A――エネルギー摂取量の過剰
(5)P――現在のエネルギー摂取量2,200kcal/日

30-122 5歳、女性、血清リン低値と長管骨の骨端線拡大のX線像を認めた。この症例で欠乏しているビタミンである。正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)ビタミンA
(2)ビタミンD
(3)ビタミンE
(4)ビタミンK
(5)ビタミンC

30-123 成人の肥満に関する記述である。正しいのはどれか。2つ選べ。
(1)内臓脂肪型肥満は、内臓脂肪面積が100cm2以上を言う。
(2)体脂肪量の評価は、血清LDL-コレステロール値を用いる。
(3)減量により、血清レプチン値は上昇する。
(4)超低エネルギー食(VLCD)は、医療監視下で行う。
(5)エネルギーの摂取量は、35~40kcal/kg標準体重/日とする。

30-124 糖尿病治療薬とその主作用の組み合わせである。誤っているのはどれか。1つ選べ。 
(1)DPP-4 阻害薬――インクレチン分解の抑制
(2)SGLT-2阻害薬――消化管での糖吸収の抑制
(3)スルホニル尿素(SU)薬――インスリン分泌の促進
(4)チアゾリシン薬――インスリン抵抗性の改善
(5)ビグアナイド薬―――肝臓での糖放出の抑制

30-125 炎症性腸疾患に関する記述である。誤っているのはどれか。1つ選べ。
(1) クローン病では、抗TNF-a抗体製剤が使用される。
(2) クローン病活動期では、成分栄養剤が有効である。
(3) クローン病活動期では、N-3系多価不飽和脂肪酸の摂取を勧める。
(4) 潰瘍性大腸炎では、5−アミノサルチル酸製剤が使用される。
(5) 潰瘍性大腸炎寛解期では、たんぱく質の摂取量を制限する。

30-126 消化器疾患の栄養管理に関する記述である。正しいのはどれか。2つ選べ。
(1)急性肝炎の黄疸時には、脂質の摂取量を増やす。
(2)C型慢性肝炎では、鉄の摂取量を減らす。
(3)肝性脳症では、芳香族アミノ酸の摂取量を増やす。
(4)急性胆のう炎では、脂質の摂取量を減らす。
(5)急性膵炎の急性期には、たんぱく質の摂取量を増やす。 

30-127 高血圧患者に対し、24時間蓄尿を行ったところ、1日尿中ナトリウム排泄量が200mEqであった。推定される食塩の摂取量として正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)4g
(2)6g
(3)8g
(4)10g
(5)12g

30-128 CKD(慢性腎臓病)における成人の栄養管理に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)ステージ1では、リンの摂取量を制限する。
(2)ステージ2では、カリウムの摂取量を制限する。
(3)ステージ3では、食塩の摂取量を8g/日とする。
(4)ステージ4では、たんぱく質の摂取量を0.6-0.8g/kg標準体重/日とする。
(5)ステージ5では、エネルギーの摂取量を40-45kcal/kg標準体重/日とする。

30-129 体重60kgの透析患者の栄養管理に関する記述である。a,b,cの正しいものの組み合わせはどれか。1つ選べ。
(1) 1,500 40 600
(2) 1,500 60 900
(3) 2,000 40 600
(4) 2,000 60 900
(5) 2,000 60 1,200

30-130 甲状腺機能亢進時に摂食を制限するものである。正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)エネルギー
(2)たんぱく質
(3)コレステロール
(4)ヨード(ヨウ素)
(5)水分

30-131 神経性食欲不振症に関する記述である。誤っているのはどれか。1つ選べ。
(1) 好発年齢は、30歳以下である。
(2)過食行動がみられる。
(3)月経異常がみられる。
(4)やせを起こす器質性疾患がない。
(5)リフィーヂング症候群をきたすことはない。

30-132 COPD(慢性閉塞性肺疾患)の病態と栄養管理に関する記述である。誤っているのはどれか。1つ選べ。
(1)体重減少のある患者は、予後が悪い。
(2)安静時エネルギー消費量は、亢進している。
(3)分割食を勧める。
(4)低タンパク食を勧める。
(5)高脂肪食を勧める。

30-133 貧血とその原因の組合せである。正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)鉄欠乏性貧血――――エリロポエチン産生
(2)腎性貧血――――――赤血球膜異常
(3)再生不良性貧血―――ナイアシン欠乏
(4)溶血性貧血――――― ビタミンB12欠乏
(5)巨赤芽球性貧血―――葉酸欠乏

30-134 骨粗鬆症に関する記述である。誤っているのはどれか。1つ選べ。
(1)閉経後は、骨吸収が充進する。
(2)ビスホスホネート薬は、骨形成を促進する。
(3)グルココルチコイドの長期投与は、リスクを高める。
(4)カフェインは、リスク因子である。
(5)ビタミンKを多く含む食品は、予防に推奨される。

30-135 食物アレルギーの病態と栄養管理に関する記述である。正しいのはどれか。2つ選べ。
(1)最も多い症状は、下痢である。
(2)食後の運動で、アナフィラキシーショックが誘発される。
(3)減感作療法では、食物アレルゲンを完全除去する。
(4)非特異的治療では、食物アレルゲンを少量から漸増する。
(5)鶏卵は、加熱によリアレルゲン性が低下する。

30-136 消化管手術と合併症の組合せである。正しいのはどれか。2つ選べ。
(1)胃切除———–乳酸アシドーシス
(2)十二指腸切除 —–葉酸欠乏
(3)小腸広範囲切除—-下痢
(4)回腸切除———ビタミンB12欠乏
(5)回盲部切除——–ビタミンC欠乏

30-137 広範囲熱傷患者の急性期の病態と栄養管理に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)血管透過性は、低下する。
(2)尿中窒素排泄量は、減少する
(3)高血糖をきたす。
(4)水分を制限する。
(5)NPC/N(非たんぱくカロリー窒素比)を、健常時より高くする

30-138 78歳、男性。改訂水飲みテスト3点。廉下造影(VF)検査で、薄いとろみのついた水分は摂取できた。下顎の可動範囲が小さく、動きは鈍い。舌による食品の押しつぶしは難しかった。この患者に提供する食事の形態として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。
(1)オレンジジュース
(2)七分粥をミキサーにかけたもの
(3)全粥
(4)煮込みうどん

30-139 10歳、女児6歳で発症した1型糖尿病で、インスリン療法中である。身長140 cm、 体重35 kg、 HbAlc 6.5%。 栄養管理に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)エネルギーの摂取量は、1,200 kca1/日とする。
(2)たんぱく質の摂取量は、60g/日とする。
(3)脂質の摂取量は、100g/日とする。
(4)炭水化物の摂取量は、100g/日とする。
(5)食物繊維の摂取量は、6g/日とする。

30-140 妊娠糖尿病患者の栄養管理に関する記述である。正しいのはどれか。2つ選べ。
(1)朝食前の目標血糖値は、70~100 mg/dLと する。
(2)エネルギーの摂取量は、20 kcal/kg標準体重/日 とする。
(3)炭水化物の摂取エネルギー比率は、50~60%Eとする。
(4)分割食は、禁止する。
(5)経口血糖降下薬を使用する。

30-141 妊娠20週の妊婦、28歳。身長 162 cm、 体重 62 kg(妊娠前体重57 kg)。 血圧135/85 mmHg、 蛋白尿(―)、 浮腫(―)。 前回妊娠時に妊娠高血圧症候群を指摘された。妊娠高血圧症候群の予防を目的として優先される栄養指導の項目である。最も適切なのはどれか。1つ選べ。
(1)エネルギーの摂取量
(2)たんぱく質の摂取量
(3)食塩の摂取量
(4)水分の摂取量

30-142 高齢者の病態と栄養管理に関する記述である。正しいのはどれか。 1つ選べ。
(1)尿失禁は、脱水症の原因となる。
(2)サルコペニアは、内臓脂肪量で評価する。
(3)誤嚥の予防では、摂食時に顎を挙上した姿勢を避ける。
(4)褥蒼患者では、たんぱく質を制限する。
(5)フレイルテイ(虚弱)の予防では、身体活動を制限する。

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