ホーム » 第30回(平成28年度)管理栄養士国家試験の問題と解答・解説 » 第30回:栄養教育論

第30回:栄養教育論

スポンサーリンク


 

 問題全文

30-100 児童の野菜摂取に関する記述である。オペラント条件付けに当てはまるものとして、正しいのはどれか。2つ選べ。
(1)先生に「野菜を食べましょう」と言われたので、食べた。
(2)野菜を食べたら先生に褒められたので、次も食べた。
(3)運動後おなかが空いたので、野菜も食べた。
(4)友達が野菜を残したので、自分も食べなかった。
(5)野菜を食べたがおいしくなかったので、食べなくなった。

30-101 生活習慣改善に消極的な中年男性に、計画的行動理論を用いた支援を行った。主観的規範を高めるための管理栄養士の発言である。正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)体重が減ると、検査結果もよくなりますよ。
(2)ご家族は、あなたがずっと健康でいることを願っていますよ。
(3)今よりも10分だけ早く、からだを動かしてみませんか。
(4)簡単にできる食事の方法を紹介しましょう。
(5)健康になった10年後の自分の姿を想像してみてください。

30-102 高校運動部の生徒に対する食生活改善のための支援を、社会的認知理論の構成要素の組合せである。正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)食事内容を練習日記につけるよう勧める。――観察学習
(2)望ましい食べ方をしている選手の例を紹介する。――結果期待
(3)食生活を改善すれば、体力がつくことを説明する。――自己効力感
(4)生徒の家族に、弁当の改善を提案する。――――相互決定主義
(5)できることからやってみようと話す。――――――自己制御

30-103 半年前に配偶者を亡くし、食欲が低下したままの高齢期の男性に対する栄養カウンセリングである。ラポールの形成ができる管理栄養士の発言として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。
(1)昨日、どのようなものを召し上がりましたか。
(2)食事の量が不足していますから、もっと食べて元気になりましょう。
(3)まだ半年ですから、食べる気力もでませんよね。
(4)もう半年も経ちますので、そろそろ気持ちを切りかえてみませんか。

30-104 大企業において、社員の健康づくりのための減塩行動の普及を目的に、新たな取組を行うこととなった。社内で減塩行動を早く普及させるための、イノベーション普及理論に基づく初期活動である。最も適切なのはどれか。1つ選べ。
(1)全社員に、減塩の意義を記載したリーフレットを配布する。
(2)全社員に、減塩の意義を社内メールで知らせる。
(3)部署ごとに、順次、減塩教育を行う。
(4)部長を集め、減塩教育を行う。

30-105 減量中の中年女性の行動である。行動変容技法のうち、刺激統制として、正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)間食の回数を減らすことを、仲の良い友人に宣言する。
(2)間食を1週間我慢できたら、バッグを買うと決める。
(3)菓子店のメールマガジンの配信を停止する。
(4)間食をしたくなったら、友人に電話をかける。
(5)間食を減らすことで得られるメリットとデメリットを考える。

30-106 減量のために禁酒を目的とした成人男性である。宴席に誘われてお酒を飲んでしまい、失敗したと思い込んでいる。行動変容技法のうち、認知再構成を用いた管理栄養士の支援である。正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)禁酒の効果を、改めて説明する。
(2)お酒を飲んだ時の状況を確認する。
(3)どれくらいの量を飲んだのかを詳しく聞き取る。
(4)1回くらいなら、あまり気にしなくてもよいと話す。
(5)宴席に誘われた時の断り方を練習する。

30-107 食事の準備が困難であると感じている、単身男性への栄養教育に関する記述である。バランスの良い食事をとることへの自己効力感を高める支援である。最も適切なのはどれか。1つ選べ。
(1)家にどのような調理器具があるかを尋ねる。
(2)食事内容の記録を勧める
(3)栄養バランスの良い手作りメニューを紹介する。
(4)外食を利用しても、栄養バランスが取れる方法があることを伝える。

30-108 糖尿病教室を修了した患者が集まり、セルフヘルプグループの立ち上げを計画している。それを支援する管理栄養士の対応である。正しいのはどれか。2つ選べ。
(1)他のセルフヘルプグループのリーダーを紹介した。
(2)年間の活動計画は、管理栄養士が決めた。
(3)募金を募り、金銭的な援助をした。
(4)グループの活動に使える公共施設を紹介した。
(5)運営は管理栄養士が主体的に行うことにした。

30-109 大学生を対象に、朝食を毎日食べることを目的とした栄養教育において、学習者が設定する行動目標である。正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)朝食を食べる必要性を理解する。
(2)早寝早起きをする。
(3)家の人に朝食を用意してもらう。
(4)簡単な朝食の作り方を学ぶ。
(5)朝食を毎日食べている友人の話を聞く。

30-110 栄養教育プログラムの実施に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)学習者に情報を伝達する経路を、プレゼンテーションという。
(2)教育者の身だしなみは、非言語的コミュニケーションに含まれる。
(3)学習者に教育者の持つ知識を伝える行為を、モニタリングという。
(4)文字などで学習者に情報を伝達する行為を、チャネルという。
(5)プログラムが計画通りに進んでいるかの確認を、コミュニケーションという。

30-111 ロコモティブシンドローム予防を目的として行う、骨粗鬆症健診受診者を対象とした栄養教育プログラムの評価と、評価の種類の組み合わせである。正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)健診結果から学習者を決定した方法が適切だったかを確認した―経過評価
(2)プログラムの参加率が低かったため、途中から開始時刻を変更した。―結果評価
(3)学習者が記録した毎日の歩数で、行動の実行を確認した。―影響評価
(4)学習者の日常生活動作の改善を確認した。―形成的評価
(5)学習者が書いた感想で、講義内容の理解度を確認した。―企画評価

30-112 メタボリックシンドローム改善を目的とした栄養教育の経済評価に関する記述である。(    )に入る正しいものの組合せはどれか。1つ選べ。
 栄養教育の総費用は、240,000円、学習者は60人であった。学習者のうち、教育の結果目標である。「体重を5%以上減少」を達成できたものは50%であった。結果目標達成者一人当たりを効果の単位とした場合の( a )は、( b )円であったと計算できる。
(1)費用効果―――8,000
(2)費用効果―――4,000
(3)費用便益―――120,000
(4)費用効用―――8,000
(5)費用効用―――4,000

30-113 夏期に始業時刻を1時間早める職場において、朝食を食べる人を増加させるプログラムを計画している。プリシード・プロシードモデルに基づいて行うアセスメントの項目と、その内容の組合せである。正しいのはどれか。2つ選べ。
(1)行動と生活習慣―――職場における朝の軽食サービスの有無
(2)準備要因――――――始業時刻が早まると朝食を食べにくいと考えている社員の割合
(3)強化要因――――――早朝でも朝食を入手できる職場近くの店舗の数
(4)実現要因――――――このプログラムに携わるスタッフの数
(5)教育戦略――――――朝食摂取と健康の関連を理解している社員の割合

30-114 ソーシャルマーケティングの考え方を、大学生を対象とした栄養教育に応用した。マーケティング・ミックスの4Pのプロダクト(Product)を、「学生食堂で野菜メニューを主体的に選択する」とした場合の取組である。誤っているのはどれか。1つ選べ。
(1)対象集団の細分化のため、学生の野菜摂取行動の変容に対する準備性を調査した。
(2)野菜摂取行動の変容の準備性別に、フォーカス・グループ・インタビューを実施した。
(3)プレイス(Place)として、学生食堂の受託企業と大学及び学生代表からなる協議の場を設けた。
(4)プライス(Price)として、学生食堂で野菜メニューの割引を行った。
(5)プロモーション(Promotion)として、学園祭で、人気野菜メニューの試食イベントを開催した。

スポンサーリンク