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29-143 53歳、男性。胃全摘術を7年前に受けている。4週間前から、動悸、息切れ、舌の痛みを感じ、また、1週間前からは、四肢のしびれ、歩行障害が出現した。

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    29-143 53歳、男性。胃全摘術を7年前に受けている。4週間前から、動悸、息切れ、舌の痛みを感じ、また、1週間前からは、四肢のしびれ、歩行障害が出現した。眼瞼結膜蒼白の所見あり。血清鉄値、フェリチン値は正常であった。この患者の臨床検査に関する記述である。誤っているのはどれか。1つ選べ。

    (1)血清ビタミンB12値の低下
    (2)平均赤血球容積 (MCV)値の上昇
    (3)白血球数の上昇
    (4)血小板数の低下
    (5)血清間接ビリルビン値の上昇

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    (1)血清ビタミンB12値の低下
     ⇒胃全摘後では、内因子の低下によりビタミンB12の吸収が低下する。また、ビタミンB12欠乏によって悪性貧血を引き起こす。

    (2)平均赤血球容積 (MCV)値の上昇
     ⇒悪性貧血による、DNA合成障害によって赤血球の分化が障害され、平均赤血球容積は上昇する。

    (3)白血球数は減少する。

    (4)血小板数の低下
     ⇒悪性貧血の症状である汎血球減少症が関係している。汎血球減少症では、赤血球、白血球、血小板が減少する。

    (5)血清間接ビリルビン値の上昇
     


     胃全摘後の栄養管理

    <食事療法>
     ● エネルギー 25~30kcal/kg/日
     ● タンパク質 1.2~1.5g/kg/日
     ● 脂 質 20~30%以内(低めに設定)

    <注意点>
     ・少量ずつゆっくりと時間をかけて食べる。
     ・晩期ダンピング症候群による低血糖に備えてアメなどを携帯しておく。
     ・早期ダンピング症候群の予防として、食前に腸の運動を抑制する薬を服用する。

     

     ダンピング症候群

    ダンピング症候群は、胃全摘術後にみられる症状であり、早期ダンピング症候群と晩期ダンピング症候群に分けられる。

    ● 早期ダンピング症候群
     食後30分程度で発症する。
     小腸内に、高濃度・高浸透圧の食物が入ることによる、循環血漿量が減少が原因。症状は、腹痛や吐き気、嘔吐など。

    ● 晩期ダンピング症候群
     食後2~3時間で発症する。
     小腸から、急速に糖質が吸収されることによって、過剰なインスリンが分泌され低血糖となる。症状は低血糖による脱力感、めまい、頭痛など。

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