30-10 骨粗鬆症・骨折に関する記述である。

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30-10 骨粗鬆症・骨折に関する記述である。誤っているのはどれか。1つ選べ。

(1)大腿骨近位部骨折は、寝たきりの原因となりやすい。
(2)糖尿病は、骨折のリスクを高める。
(3)CKD(慢性腎臓病)は、骨折のリスクを高める。
(4)骨粗鬆症健診は、健康増進法に基づく事業に含まれる。
(5)骨粗鬆症のスクリーニング検査には、DXAを用いる。

解答・解説を見る

(1)大腿骨近位部骨折は、寝たきりの原因となりやすい。

 大腿骨近位部の骨折では、股関節に痛みを感じるため歩く、立つなどの動作ができなくなり、寝たきりとなりやすい。
 大腿骨近位骨折は特に高齢者に多く、寝たきりになった後は、褥瘡や尿路感染症、認知症などに罹る可能性も高くなり、患者のQOLの低下にもつながる。
 骨折の原因は転倒による打撲が多いが、骨粗鬆症の場合では少しの衝撃でも骨折してしまうこともある。

(2)糖尿病は、骨折のリスクを高める。

加齢に伴って骨の強度や質は低下し、それに伴って骨折がしやすくなる。糖尿病では骨がもろくなるスピードがそうでない他の人よりも早く骨折しやすい。(1型糖尿病では約6倍、2型糖尿病では約2倍といわれている。)

<インスリンと骨の関係>
インスリンには血糖低下作用だけでなく、骨芽細胞に作用して骨の形成を促進する働きもあるため、インスリンの分泌が低下する1型糖尿病では特に注意が必要である。

(3)CKD(慢性腎臓病)は、骨折のリスクを高める。

 ・CKD(慢性腎臓病)に伴う骨代謝異常をCKD-MBD(骨ミネラル代謝異常)という。  
 ・慢性腎臓病では腎機能の低下による活性型ビタミンDの産生が低下によって小腸におけるカルシウムの吸収が減少し、低Ca血症を引き起こす。この低Ca血症を受けて、副甲状腺からパラソルモン(PTH)というホルモンが分泌され、骨吸収を促進し、血中のCa濃度を保とうとするため、骨がもろくなり骨折のリスクが高まる。

(4)骨粗鬆症健診は、健康増進法に基づく事業に含まれる。

 その他に、歯周疾患健診、がん検診、肝炎ウイルス健診などが含まれる。

(5)骨粗鬆症のスクリーニング検査には、DXAを用いる。

この問題は解答とされる記述がなく、解無しの問題として厚生労働省から発表されています。


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