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胃の分泌と栄養
胃の機能は主にタンパク質の分解です。
タンパク質の分解には、胃から分泌されるさまざまな消化酵素が必要で、それらは胃腺に存在する副細胞や壁細胞、主細胞から分泌されています。
国家試験においては、「どの場所から何が分泌されているのか」、「分泌されたものの役割はなにか」を問われる問題が多くみられます。
この記事では、胃を一つの会社に見立てて勉強していきます♪
目次
それぞれの分泌場所と役割
胃の分泌に関与する胃腺には、主細胞と副細胞、壁細胞の3種類の外分泌細胞があります。
① 主細胞 : ペプシノーゲン、ペプシン、レンニン(凝乳酵素)
② 副細胞 : 粘液
③ 壁細胞 : 塩酸(HCl)、内因子
「胃」=タンパク質分解工場
主細胞は、“社長”
(ペプシン、ペプシノーゲン、レンニン)
胃の醍醐味である「たんぱく質の分解」に最も大切なペプシン、ペプシノーゲンを分泌します。
レンニンにも、乳児が飲んだ母乳に含まれるタンパク質の消化を助ける大切な働きがありますので覚えておいてください。
副細胞は、“副社長”
(粘液)
副細胞は、胃の粘膜を保護する役割のある粘液を分泌します。
主細胞が分泌した塩酸やペプシンで胃が荒れないように、ねばねばの粘液で胃を守るのです。
“副社長”なのに粘液しか出さないのか、と言いたくもなりますが、粘液にも重要な役割があるのです。
壁細胞は、“平社員”
(塩酸、内因子)
目立たないけれどとっても大切な仕事をしているのが壁細胞です。
壁細胞が分泌する塩酸は主細胞から分泌されたペプシノーゲンをペプシンにするだけでなく、殺菌作用、膵液や胆汁の分泌を促進する働きがあります。
そして、内因子にはビタミン12の吸収を助ける働きがあります。
まとめ
① 主細胞
・ペプシノーゲン ⇒ ペプシンのもと。細胞内に存在。
・ペプシン ⇒ タンパク質分解酵素。ペプシノーゲンが塩酸によって活性化されてペプシンとなる。
・レンニン(凝乳酵素) ⇒ 乳児に存在し、母乳中のたんぱく質であるカゼインを凝固させ、消化を助ける。
② 副細胞
・粘液 ⇒ 胃酸やペプシンから胃の粘膜を守る。
③ 壁細胞
・内因子 ⇒ ビタミンB12の吸収を助ける
・塩 酸 ⇒ ペプシノーゲンを活性化させてペプシンに変える/殺菌作用による胃内容物の腐敗防止/膵液や胆汁の分泌促進
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