コンテンツへスキップ

甘酒は「飲む点滴」?甘酒を飲むときに注意したい3つのこと

    スポンサーリンク


    今回は、甘酒についてです。

    「飲む点滴」とも言われている甘酒は、健康のために飲んでいる方も多いようですが、栄養士としていくつか注意したい点をまとめてみました。

    主な内容

    1.甘酒は何からどうやって作られる?

    2.甘酒に含まれる栄養素 ~栄養価はご飯とほぼ同じ?~

    3.甘酒は本当にビタミン、ミネラルが豊富?


    1.甘酒は何からどうやって作られる?

    甘酒には、を使用するタイプと、酒粕を使用するタイプがあります。

    製造方法は異なるものの、どちらも主原料はです。

     

    例えば、麹を使用するタイプのものは、精米した米を高温の蒸気で蒸し、蒸した米に麹菌をかけ米麹を作ったあと、米麹にさらに蒸した米と水を足し、約55度で糖化発酵させてつくられます。*1

    最後の糖化の段階で、米に含まれるデンプンが酵素によって分解され、ブドウ糖が生成されます。これが主に甘酒の甘味のもととなっています。

     

    酒粕を使用するタイプのものは、酒粕を湯でといて砂糖を添加する製造方法が一般的です。

    酒粕(さけかす、酒糟)とは、日本酒などのもろみを、圧搾した後に残る白色の固形物のこと*2で、これも元々の材料はです。

     


    2.甘酒に含まれる栄養素

    では、甘酒(コップ1杯、200㎖)の栄養価を見てみましょう。

     

     

    実は…ご飯と栄養価がとても似ています。

    *エクセル栄養君Ver7.0,ご飯は、「めし・精白米(陸稲)」で計算

    甘酒コップ1杯(200ml)とご飯(100g)の栄養価を比べてみたもの。

     

    甘酒の主材料が米ということもあり、栄養素の割合はほとんどご飯と同じです。

     

    3.甘酒は本当にビタミン、ミネラルが豊富?

    それでもやはり甘酒が美容・健康に良いと人気があるのはビタミンやミネラルが豊富といわれているためではないでしょうか。

     

    では、その他の栄養素の含有量もご飯と比較してみましょう。

    *エクセル栄養君Ver7.0,ご飯は、「めし・精白米(陸稲)」で計算

    これをみてみると、ビタミンC、E、Aなどが含まれない点については、ご飯(精白米)と同じようです。

    食塩意外と多く含まれていますね。

     

    確かに、ビタミンやミネラルは含まれているのですが、一緒にエネルギーや糖質も摂取することになるため

    摂りすぎは肥満の原因になりやすく、ビタミンやミネラルを効率的に摂取するのは少し難しいかもしれません。

     

    ※現在、様々な種類の甘酒が販売されており、商品により多少の違いがあります。詳しくは、それぞれの栄養成分表示をチェックしましょう。


    追記@ 糖尿病の人は注意が必要かも

    先ほども述べた通り、甘酒には糖質が多く含まれているものが一般的で、糖質は血糖値を上げやすい栄養素です。

    そのため、甘酒に糖質が多く含まれることを知らずに摂取していると、血糖値のコントロール悪化の原因となる可能性があります。

     

    もちろん、糖尿病だからといって飲んではいけないわけではありません。

     

    基本的に甘酒は嗜好品として扱い、健康のためと思っても飲み過ぎないようにすることが大切です。

     

    また、現在は低糖質の甘酒も販売されているようですので、甘酒がお好きな方はそういった商品を利用してみるのも良いですね。

     

    まとめ

    ①甘酒コップ1杯には、ご飯100g分の糖質(約36g)が含まれています。

     行事や、嗜好品として摂取するのはよいですが、

     健康・美容に良いと思って日常的に摂取しすぎるのは肥満の原因になるかもしれません。

     

    ②糖質は血糖値を上げる栄養素です。糖尿病や糖尿病予備軍の方は特に注意。

     甘酒には、タンパク質や脂質があまり含まれていないことから、特に糖尿病の方は血糖値が上がりやすいので注意しましょう。

    (例えば、ただの砂糖水よりもタンパク質や脂質を含む牛乳のほうが血糖値が上がりにくい。)

     特におなかが空いている時に一気に飲むのにはあまりおすすめできません。甘酒だけで摂取せず、お食事と一緒にちびちびと少しずつ飲みましょう。

     

    ③栄養成分表示をチェックしましょう

     健康・美容に良いといわれている食品をなんとなく摂取していませんか?

     普段の食事があなたの身体を作ります。食品に対するイメージと直感だけで、食べるものを選ぶのはすこし危険です。

     食品選びで大切なのは、表の魅力的なパッケージよりも国が定める基準に基づいて作られている裏の表示(栄養成分表示などや原材料表示)です。


    参考・引用文献

    *1 中埜酒造株式会社「甘酒ができるまで」(https://www.nakanoshuzou.jp/amazake/process/),2018年8月18日アクセス.

    *2 Wikipedia「酒粕」(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%85%92%E7%B2%95),2018年8月18日アクセス.

    !糖質=炭水化物から食物繊維の量を差し引いたもの

    スポンサーリンク


    タグ:

    コメント

    関連記事