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鉄の吸収機構と貧血、食事療法~ヘム鉄と非ヘム鉄の吸収の違い~

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ヘム鉄と非ヘム鉄

食物から摂取される鉄には、ヘム鉄と非ヘム鉄がある。

 

含まれる食品と吸収率

ヘム鉄(Fe2+)は主に、肉や魚などの動物性食品に多く含まれる。非ヘム鉄よりも吸収率が高い

非ヘム鉄(Fe3+)は、植物性食品、乳製品、豆類、卵に含まれる。ヘム鉄よりも吸収率が低い

 

吸収率の違い

ヘム鉄と非ヘム鉄は、異なった吸収機構で体内に取り込まれる。

 

鉄は吸収される際に、2価鉄イオン(Fe2+)として小腸上皮細胞で吸収される。

2価鉄イオンとして吸収された後は、フェノポーチンによって門脈側に移行し、その後、腸管上皮細胞基底膜にあるファスチンによって再び3価鉄イオンに酸化され、

トランスフェリンによって運ばれる。

 

非ヘム鉄は、3価鉄イオンであるため吸収の際には2価鉄イオンへ還元させる必要がある。

この時に還元を助けるのが、ビタミンCである。

ビタミンCは、非ヘム鉄と同時に摂取されると、3価鉄イオンを2価鉄イオンに還元し非ヘム鉄の吸収を促す。

 

まとめると、非ヘム鉄は吸収されるためには還元を受けないといけないので、そのまま吸収できるヘム鉄よりも吸収率が低くなるということである。

その吸収率の低い非ヘム鉄を助けるのが、ビタミンCである。

 

 

鉄の吸収を促進するもの

ビタミンC(アスコルビン酸)、たんぱく質、アミノ酸

たんぱく質は、赤血球の大部分を占めるヘモグロビンの材料となるため必要。

また、鉄は体内の鉄が少ない状態では、吸収率が高まる。

 

鉄の吸収を阻害するもの

フィチン酸、タンニン、シュウ酸、食物繊維

 

鉄欠乏性貧血

鉄の不足は、鉄欠乏性貧血の原因となる。

鉄欠乏性貧血では、

赤血球の大きさ(MCV)は ⇒ 小さくなる。

赤血球中のヘモグロビン濃度(MCHC)は ⇒ 低下する。

⇒ 小球性低色素性貧血に分類される。

 

貧血の食事療法のポイント

1.まずは、食事のバランスに偏りがないかを見直す。

2.鉄を多く含む食品(鶏や豚の肝臓、あさりや小松菜など)を意識して摂取する。

3.鉄の吸収を助けるその他の栄養素を毎日、毎食まんべんなく摂取する。

 

〔その他の栄養素とその役割〕

ビタミンC・・・吸収促進

・・・ヘモグロビン合成を助ける

ビタミンB6・・・鉄の主成分であるヘム合成に関与する

ビタミンB12、葉酸・・・核酸の合成に関与する

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