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36-93 高血圧予防のために、健常者に対して積極的な摂取が推奨される栄養素である。誤っているのはどれか。 1 つ選べ。
⑴ 食物繊維
⑵ カリウム
⑶ カルシウム
⑷ マグネシウム
⑸ ヨウ素
高血圧は、収縮期血圧及び拡張期血圧のいずれかが基準値を超えて上昇した状態で、診察室血圧では140/90㎜Hg以上と定義されている。高血圧は、脳血管疾患、心血管疾患などの重大な疾患リスクを高めることから予防が重要である¹。
(5)ヨウ素は、高血圧予防のために積極的な摂取が推奨されている栄養素ではないため、誤りである。
〇⑴ 食物繊維
食物繊維の摂取及び、食物繊維が豊富な野菜や果物等の摂取は、血圧低下に有効であることが報告されている²,³。ある研究では、野菜と果物の摂取量が1日400g以上の場合、血圧上昇抑制に有効である可能性を示唆している³。日本人の食事摂取基準2020年版においても、生活習慣病の発症予防を目的として食物繊維の目標量が設定されている¹。
〇⑵ カリウム
カリウムは、血圧低下効果が報告されているDASH食の主要な栄養素の一つであり、血圧上昇などの作用に拮抗すると考えられている¹。日本人の食事摂取基準2020年版においても、カリウムの目標量が設定されている¹。
〇⑶ カルシウム
食事性カルシウムの摂取量の増加により、血圧が低下することが報告されている⁴。しかし、日本人の食事摂取基準2020年版においては、高血圧予防のための具体的なカルシウムの目標量は設定されていない¹。
〇⑷ マグネシウム
いくつかの研究で、マグネシウムが高血圧予防に有効であると報告されている。しかし、日本人の食事摂取基準2020年版においては、高血圧予防のための具体的なマグネシウムの目標量は設定されていない¹。
⑸ ヨウ素ヨウ素摂取と高血圧の発症予防に関する報告は乏しく、積極的な摂取は推奨されていない。
DASH食(dietary approach to stop hypertension)とは
DASH食は、アメリカ合衆国保健福祉省の国立心肺血液研究所(NHLBI)が高血圧予防のために考案したもの。
参考文献
- 厚生労働省, 日本人の食事摂取基準2020年版(第一出版, 2020)
- Streppel MT, Arends LR, van ‘t Veer P, Grobbee DE, Geleijnse JM. Dietary fiber and blood pressure: a meta-analysis of randomized placebo-controlled trials. Arch Intern Med. 2005 Jan 24;165(2):150-6. doi: 10.1001/archinte.165.2.150. PMID: 15668359.
- Pienovi L, Lara M, Bustos P, Amigo H. Consumo de frutas, verduras y presión arterial. Un estudio poblacional [Fruit and vegetable intake, and blood pressure. A population research]. Arch Latinoam Nutr. 2015 Mar;65(1):21-6. Spanish. PMID: 26320302.
- Wang L, Manson JE, Buring JE, Lee IM, Sesso HD. Dietary intake of dairy products, calcium, and vitamin D and the risk of hypertension in middle-aged and older women. Hypertension. 2008 Apr;51(4):1073-9. doi: 10.1161/HYPERTENSIONAHA.107.107821. Epub 2008 Feb 7. PMID: 18259007.
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