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目次
レニン・アンギオテンシン・アルドステロン系(RAAS)とは?
血圧上昇やNa、水分の再吸収を調節しているホルモンの総称。主に腎臓で調節されている。
それぞれのホルモン・酵素の役割について
① レニン
所在 腎臓の傍糸球体細胞から分泌される酵素である。
作用 アンギオテンシノーゲンを、アンギオテンシンⅠに変える。
② アンギオテンシン
所在 肝臓から分泌され、アンギオテンシノーゲンより生成される。
作用 アンギオテンシノーゲンは、腎臓から分泌されるレニンによってアンギオテンシンⅠに、アンギオテンシン変換酵素によってアンギオテンシンⅡとなる。アンギオテンシンⅡは、アルドステロンの分泌を促進し、Naの再吸収により血圧を上昇させる。また、アンギオテンシンはそれ単体で末梢血管収縮作用を持つことによっても血圧上昇をもたらす。
③ アルドステロン
所在 副腎皮質より分泌されるホルモンである。
作用 Naの再吸収促進によって血圧を上昇させる。
④ バソプレシン
所在 脳下垂体後葉から分泌されるホルモンである。
作用 アンギオテンシンⅡによって、分泌され腎臓の集合管における水の再吸収が促進される。これによって、血圧上昇をもたらす。
血圧上昇までの流れ
① 血圧低下及び腎への血流量の減少により、腎臓傍糸球体細胞からレニンが分泌される。
② レニンは、アンギオテンシノーゲンをアンギオテンシンⅠに変換。アンギオテンシンⅠはアンギオテンシン変換酵素によってアンギオテンシンⅡとなる。
③ アンギオテンシンⅡは末梢血管収縮作用をもたらすとともに、アルドステロンやバソプレシンの分泌を促進する。
④ アンギオテンシンⅡの末梢血管収縮作用、アルドステロンによる遠位尿細管でのNa再吸収促進、バソプレシンによる腎臓・集合管での水の再吸収促進により血圧が上昇する。
まとめ 『 血圧上昇の要因 』
① アンギオテンシンⅡによる 『 末梢血管収縮作用 』
② アルドステロンによる 『 Na再吸収促進 』
③ バソプレシンによる 『 水(H2O)の再吸収促進 』
関連問題
30-23 個体の恒常性を維持するための反応に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)血液のpHが上昇すると、腎からのH+排泄は促進される。
(2)血液のpHが低下すると、呼吸反応は促進される。
(3)血圧が低下すると、アドレナリンの分泌は抑制される。
(4)循環血液量が減少すると、アルドステロンの分泌は抑制される。
(5)血漿浸透圧が上昇するとバソプレシンの分泌は抑制される。
29-40 腎臓に作用する生理活性物質に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)カルシトニンは、カルシウムの再吸収を促進する。
(2)アルドステロンは、カリウムの再吸収を促進する。
(3)副甲状腺ホルモン (PTH)は、リンの再吸収を抑制する。
(4)バソプレシンは、水の再吸収を抑制する。
(5)活性型ビタミンDは、カルシウムの再吸収を抑制する。
28-38 循環器系の構造と機能に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
(1) 心拍出量は、成人で安静時に約5L/分である。
(2) 肺動脈を流れる血液は、動脈血である。
(3) 左心室の壁厚は、右心室の壁厚よりも薄い。
(4) 副交感神経の興奮により、心拍数は増加する。
(5) 血圧が上昇すると、レニンの分泌が増加する。
28-39 腎・尿路系の構造と機能に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
(1) 血液中の赤血球は、糸球体でろ過される。
(2) 心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)は、ナトリウムの排泄を促進する。
(3) 尿細管で再吸収される原尿は、糸球体でろ過された量の約1%である。
(4) エリスロポエチンは、カルシウムの再吸収を促進する。
(5) レニンは、尿管から分泌される。
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