(1)冷凍処理は、寄生虫症の予防となる。
寄生虫の中には、アニサキスやクドア、サルコシスティスなど冷凍処理により死滅するものもある。おおよそ-20℃で4~20時間程度で死滅。
(2)アニサキスは幼虫移行症型
幼虫移行症型…ヒトが宿主ではない寄生虫が幼虫の状態で人の体内を移行し、種々の症状を起こす。
<アニサキス食中毒>
原因はイカやサバ、アジ、タラの生食である。主要症状は胃アニサキス症による激しい胃痛や、腸アニサキス症による激しい下腹部痛である。治療は内視鏡や外科治療によって行われる。
アニサキスは、加熱に弱く、逆に幼虫では冷凍に弱い(-20℃、数時間で死滅)、60℃以上の加熱では瞬時に死滅する。
〇(3)クドアは、ひらめの生食により感染する。
(4)肝吸虫は、淡水にすむ魚のうろこや筋肉に寄生し、幼虫をもつ淡水魚の生食により感染する。
肝吸虫による食中毒は、コイやフナ、モロコ、ウグイなどの淡水魚の生食が原因となる。肝吸虫症は肝ジストマ症ともいわれ、肝硬変を発症する場合もある。
(5)サルコシスティスは、馬肉の生食により感染する。
サルコシスティスは馬に寄生する住肉胞子虫である。人に寄生することはない。