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29-44 運動器系に関する記述である。正しいのはどれか。2つ選べ。
(1)閉経後には、骨吸収は亢進する。
(2)変形性関節症は、骨密度の低下によって起こる。
(3)骨粗しょう症は、骨の石灰化障害である。
(4)大腿骨頚部(近位部)骨折は、男性での発生率が高い。
(5)糖質コルチコイド薬の投与は、骨折リスクを高める。

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(1)閉経後には、骨吸収は亢進する。
 閉経後には、エストロゲン分泌が減少する。エストロゲンは破骨細胞の働きを抑制するため、エストロゲンの分泌が減少すると、破骨細胞の働きが抑えられず骨吸収が亢進し骨密度が低下する。
 このような、特に骨吸収の増加による骨折は、高回転性骨粗鬆症ともいう。

(2)変形性関節症は機械的刺激などによって関節の軟骨が変性・摩耗することによって起こる。
 骨密度の低下によって起こるのは、骨粗鬆症である。
 骨粗鬆症には、低回転性骨粗鬆症と高回転骨粗鬆症があり、低回転性骨粗鬆症は老人性骨粗鬆症がこれにあたり、特に骨形成が減少している。高回転骨粗鬆症は、閉経後のエストロゲン分泌減少によつ骨粗鬆症がこれにあたり、特に骨吸収が減少している。

(3)骨の石灰化障害は、骨軟化症のことである。
 骨軟化症では、骨における石灰化障害が起こり骨のミネラル成分が減少し、骨質が低下する。原因はビタミンDの作用不足であることが多い。
 対して、骨粗鬆症は骨密度の低下は見られるが、骨の石灰化障害などの骨組織の成分の変化はみられない。

(4)大腿骨頸部骨折は女性での発生率が高い。
 大腿骨頸部骨折は、寝たきりの原因となるため注意が必要である。
 骨粗鬆症がもととなって起こることがおおく、女性に多いといわれるのは骨粗鬆症患者が女性で多いことが理由と考えられる。

(5)糖質コルチコイド薬の投与は、骨折リスクを高める。
 糖質コルチコイド薬の投与で、小腸からのカルシウム吸収の抑制によるカルシウム欠乏や、尿細管でのカルシウムの再吸収の抑制によるカルシウムの放出性腺ホルモン(主にエストロゲン)分泌の抑制による骨吸収の亢進などが起こり、骨折のリスクが高まる。

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