26-97 母乳に関する記述である。

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26-97 母乳に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
(1) WHO/UNICEF(1989年)では、分娩後60分以降に母乳を与えることを勧めている。
(2) 吸畷刺激は、プロラクチンの分泌を抑制する。(きゅうてつ)
(3) オキシトシンは、射乳を起こす。
(4) 分泌型IgAは、初乳より成熟乳に多く含まれている。
(5) エネルギー量は、成熟乳より初乳が多い。


(1) WHO/UNICEF(1989年)では、分娩後30分以内に母乳を与えることを勧めている。
(2) 吸畷刺激は、プロラクチンの分泌を促進する。

(3) オキシトシンは、射乳を起こす。
(4) 分泌型IgAは成熟乳より初乳に多く含まれている。
(5) エネルギー量は、初乳より成熟乳が多い。


初乳・成熟乳について

(1)初乳とは?
 分娩後の数日間だけ分泌される乳汁。出産後すぐは分泌の量は少ないが4日後あたりから急増する。
色は黄色味を帯びており、とろみや粘りがある。成分としてはタンパク質やミネラルが多いが、脂質や糖質(乳糖)は少ないため、カロリーは成熟乳よりも低い。
 また、免疫グロブリンAや、ラクトフェリンなどの免疫物質を多く含み、乳児の免疫力を高めるといわれている。
 胎便の排泄を促す効果があるのも特徴である。
  ①リゾチームとは?
  リゾチームは別名「溶菌酵素」ともいい、人の乳汁(初乳)だけでなく鼻水や涙、唾液にも含まれている。細胞の細胞壁の主成分であるムロペプチドなどの多糖類を加水分解し、溶菌する作用がある。
  ②ラクトフェリンとは?
  ラクトフェリンとは、人の乳汁や汗、涙などの分泌液に含まれている鉄結合性の糖蛋白で、免疫細胞の一つであるNK細胞を活性化する働きがある。
(2)成熟乳とは?
 分娩後7~10日後頃から分泌される乳汁で色は白くサラサラとしている。また、初乳と比べると、脂質や糖質が多く含まれており、初乳よりは少ないがもちろんミネラルやタンパク質も含む。
 成熟乳の目的は主に乳児の成長を促すことである。そのため、十分にエネルギーが摂取できるよう初乳よりのカロリーは高い。


(3)初乳と成熟乳の比較
① 初乳に多く含まれるもの
 ・タンパク質(成熟乳の約2倍)
 ・鉄などのミネラル
 ・ラクトフェリン
 ・免疫グロブリンA(分泌型IgA)
 成熟乳に多く含まれるもの
 ・エネルギー
 ・乳糖
 ・脂質


一緒に覚えよう
~母乳に関する知識~

Q.母乳の分泌を促すホルモンは?
A.オキシトシン
(赤ちゃんが乳首を吸うと、その刺激(吸綴刺激)を受け下垂体後葉から分泌されるホルモンで乳汁分泌に働く。)
Q.母乳の生成を促すホルモンは?
A.プロラクチン
(下垂体前葉から分泌されるホルモンで、乳腺の発達や母乳の生成を促進する。)


~母乳育児成功のための10ヵ条~
(ユニセフ・WHOによる共同声明)

1.母乳育児の方針を全ての医療に関わっている人に、常に知らせること
2.全ての医療従事者に母乳育児をするために必要な知識と技術を教えること
3.全ての妊婦に母乳育児の良い点とその方法をよく知らせること
4.母親が分娩後、30分以内に母乳を飲ませられるように援助すること
5.母親に授乳の指導を十分にし、もし、赤ちゃんから離れることがあっても母乳の分泌を維持する方法を教えること
6.医学的な必要がないのに母乳以外のもの、水分、糖水、人工乳を与えないこと
7.母子同室にする。赤ちゃんと母親が一日中24時間、一緒にいられるようにすること
8.赤ちゃんが欲しがるときに、欲しがるままの授乳を進めること
9.母乳を飲んでいる赤ちゃんにゴムの乳首やおしゃぶりを与えないこと
10.母乳育児のための支援グループを作りを援助し、退院する母親に、このようなグループを紹介すること

引用元:日本母乳の会「母乳育児成功のための10か条」,アクセス2016年5月29日.


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