(1) 誤り:原発性アルドステロン症では、高血圧になる。
アルドステロンは副腎皮質から分泌されるホルモンで、腎臓に作用してナトリウムと水の再吸収を促し、血圧を上げる。原発性アルドステロン症はアルドステロンの過剰分泌によるため、血圧は上昇する。
(2) 誤り:原発性アルドステロン症では、カルシウム濃度は基準値であることが多い。
原発性アルドステロン症では低カリウム血症を伴うが、カリウム低下に伴いプロトンも低下し、アルカローシスになる。プロトンと結合していた血中アルブミンが遊離カルシウムと結合するため、低カルシウム血症によるテタニーを引き起こすことがある。
(3) 誤り:クッシング症候群では、満月様顔貌になる。
クッシング症候群とは、コルチゾール(糖質コルチコイド)の過剰分泌による病気である。コルチゾールは副腎皮質から分泌されるホルモンで、血糖値を上げる。慢性的な過剰分泌によって中心性肥満になり、満月様顔貌もその1つである。
(4) 誤り:バセドウ病では、眼球突出がみられる。
バセドウ病とは、甲状腺ホルモンが過剰に分泌される病気である。まぶたや眼球周りの筋肉に炎症が起こり、その部分が腫れることで眼球突出がみられる場合がある。
〇(5) 正しい
アルドステロンは腎臓の遠位尿細管に作用し、ナトリウムとカリウムの交換輸送によるナトリウム再吸収を促進する。すると血中ナトリウム量が増加し、カリウム量が低下するため、低カリウム血症になる。