酵素の作用(グルコースとフルクトースに分解する)や
目的(果汁の清澄化など)がよく出題されますが、
この問題は酵素に対する「基質」を問うた問題です。
少し難しいかもしれませんが酵素と基質の組み合わせと目的をしっかり理解しておきましょう。
また、酵素は名前の語尾が「〜〜アーゼ(~~ase)」となり
「〜〜」の部分には基質の名前が入ることがよくあります。
どうしてもわからない場合は、(2)のように
ペクチナーゼ→ペクチン+アーゼ→ペクチン分解酵素かな?
と類推することも大切です。
例題:ナリンギナーゼとヘスペリジナーゼ、それぞれの基質は?解答は解説の最後に。
⑴ カタラーゼ 〔 過酸化水素 〕
カタラーゼは人体の範囲、特に生化学が絡む問題で出てくる酵素です。
ヒトの体内で発生した過酸化水素を酸素と水に分解してくれる酵素です。
⑵ ペクチナーゼ 〔 ペクチン 〕
解説文冒頭で書いたようにペクチナーゼは「ペクチン+アーゼ」
つまり、ペクチンを分解する酵素です。
果汁の濁りを取る(清澄化)ために利用します。
〇⑶ キモシン カゼイン
正しい組み合わせです。
キモシン(レンニン)はチーズを製造するときに
κカゼインの特定の部分のみを分解する(部分分解)。
⑷ グルコースイソメラーゼ 〔 グルコース 〕
グルコースイソメラーゼは「グルコース+イソメr (isomer)+アーゼ」→「グルコースをisomerにする酵素」
なので基質はグルコースです。isomerという英語が入ってきていますが
これがわからなくても、酵素名から
選択肢の「スクロース」は関係ないんだろうな・・・。と思って欲しいところです。
ちなみにisomerとは異性体という意味で
「グルコース→フルクトース」など「異性化糖の製造」に用いられる酵素です。
⑸ トランスグルタミナーゼ 〔 グルタミン 〕
トランスグルタミナーゼは
「トランス+グルタミン+アーゼ」→グルタミンをトランス(?)する酵素
と考えれば基質がグルタミンであることまではわかると思います。
具体的な利用法はかまぼこやハンバーグ製造時に加えることで
たんぱく質中のグルタミンとリシンが結合し、
弾力性を持たせることができ、食味が上がります。
ハンバーグやミートボールを自作しても
湯煎で温めるタイプのハンバーグやミートボールほど
プリプリした食感が出ないのは、市販品にこの酵素が使われているからです。
例題の答え
ナリンギナーゼ→ナリンギン+アーゼ→ナリンギン分解酵素
ヘスペリジナーゼ→ヘスペリジン+アーゼ→ヘスペリジン分解酵素
このように酵素の名前の付け方を覚えておくと
少しだけ覚える量が減ります。
類似問題
37-60 準備中
36-60 食品加工に利用される酵素とその働きに関する記述である。
文責:アヒル