正しい選択肢は、
〇(3)プログラム参加者と参加を希望しなかった者の、教育前後の変化量を比較する。
〔 解 説 〕
栄養教育プログラムの評価デザインには、①実験デザイン、②準実験デザイン、③前後比較デザイン、④ケーススタディなどがある。
(1)プログラム参加者の中からモデルケースを取り上げ、教育前後のデータを比較する。⇒ ケース・スタディ
(2)プログラム参加者の、教育前後のデータを比較する。⇒前後比較デザイン
(3)プログラム参加者と参加を希望しなかった者の、教育前後の変化量を比較する。⇒準実験デザイン
(4)プログラム参加希望者を無作為に参加群と非参加群に割り付け、教育前後の変化量を比較する。⇒実験デザイン
(3)は上記の通り、準実験デザインに当たる。
妥当性で言えば(4)が最も適切であるが、妥当性と実施可能性を併せて考えると(3)が最も適切であると思われる。
〔 評価デザインの種類 〕
① 実験デザイン・・・同じ属性を持つグループの対象者を、介入群と対照群に無作為割り付けする手法。4つの中では最も妥当性が高い手法。
② 準実験デザイン・・・同じ属性をもつグループの対象者を、介入群と対照群にわける。無作為割り付けではないため、選択バイアス※が生じる可能性がある。
(※ 選択バイアスについて。例えば、(3)のようにプログラム参加者と参加を希望しなかった者の、教育前後の変化量を比較した場合、参加を希望したものはもともと健康意識が高く、栄養教育プログラムの効果が高く評価される可能性がある。)
③ 前後比較デザイン・・・介入群のみ設定し、対照群は設けない。栄養教育プログラムの実施の前後で効果を比較する。対照群がないため、栄養教育プログラムの効果の一般化は難しい。
④ ケーススタディ・・・いくつかの事例に関して栄養教育プログラムの評価を行うもの。対照群は設けず、少数のケースを観察するのみなので栄養教育プログラム有効な評価が難しい。