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飢餓時の血糖維持の仕組み

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飢餓時の血糖維持
~肝臓と筋肉のグリコーゲンの違い~
飢餓時には、血糖を維持するために肝臓でのグリコーゲンの分解や糖新生によってグルコースを生成する。
膵臓から分泌されるグルカゴンはこの反応を活性化し、血糖を上昇させる。
※筋肉にもグリコーゲンは貯蔵されているが、筋肉にはグルコース6ホスファターゼという酵素が無いので、血糖維持には寄与しない。
血糖の低下によって、肝臓に貯蔵されていたグリコーゲンが全て使い尽くされてしまうと、筋肉などの体タンパク質が分解されグルコースを生成する。
無理なダイエットをすると、筋肉も減ってしまうのはこのためで、筋肉量が減ることで基礎代謝がおちてしまい、ますます痩せにくい体になってしまうと考えられる。


肝臓と筋肉のグリコーゲンの違い
グリコーゲンは動物の貯蔵多糖類で、肝臓には、その重量の5%(100g)、筋肉にはその重量の1%(250g)のグリコーゲンが貯蔵されている。
肝臓のグリコーゲンは主に空腹時に、血糖の維持をする。
低血糖によって、膵臓のランゲルハンス島のA細胞から分泌されるグルカゴンなどのホルモンの分泌が促進されると、肝グリコーゲンの分解が起こり、グルコースが血中に放出され、血糖値が正常範囲に保たれる。
 一方、筋肉ではグルコース6リン酸をグルコースにするための酵素、グルコース6フォスファターゼをもたないために、グルコースを生成することができない。
筋肉のグリコーゲンは、血糖維持には寄与せず、グルコース6リン酸を解糖系の基質として、速やかにATP産生に使われ筋肉自体のエネルギー源となる。
・血糖上昇に関わるホルモン
グルカゴン、アドレナリン、成長ホルモン、コルチゾール

参考文献
・鈴木和春・細川優編著『基礎栄養学』(2012)光生館.

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