34-177,178,179　K 総合病院に勤務する管理栄養士である。入院患者の栄養管理を行っている。 患者は、67 歳、男性。無職、妻と二人暮らし。

次の文を読み「177」、「178」、「179」に答えよ。

K 総合病院に勤務する管理栄養士である。入院患者の栄養管理を行っている。

患者は、67 歳、男性。無職、妻と二人暮らし。入院時身長 170 cm、体重 65 kg、BMI 22．5 kg/m2。

胃前庭部の進行胃がん、幽門側胃切除術を受け、ビルロートⅠ法（BillrothⅠ法）（＝残った胃と十二指腸を縫合する方法）で再建した。

34-177　退院後、食後 10～30 分に、腹痛、冷汗、動悸、めまいが頻発した。この症状の原因として、最も適当なのはどれか。 1 つ選べ。

胃食道逆流症では、胸やけが主症状として特徴的である。

〇⑵　早期ダンピング症候群

早期ダンピング症候群では、食後30分以内に、腹痛、冷や汗、動悸、悪心、嘔吐などの症状が現れる。

後期ダンピング症候群では、食後２～３時間後頃に低血糖症状を起こすののが特徴である。

輸入脚症候群では、消化管内容物の逆流により食道炎を起こす。

術後イレウスでは、腹部膨満感、腹痛、排便停止などの症状がみられる。

34-178　この症状を軽減させることを目的に栄養食事指導を行った。聞き取りによると、本人には調理経験がなく、妻がすべての食事を用意している。妻は勤務のため 9 時から 17 時まで不在。患者と妻に、家庭での食事状況を考慮して、具体的な食事の摂り方として献立例を示した（表）。

最も適切なのはどれか。 1 つ選べ。

頻回食ではあるが、調理する妻の負担が大きい食事内容である。

〇⑵　献立 2

献立２が適切であると考える理由　

◎一日６回の頻回食であること

◎8時と10時、12時と15時、18時と21時の食事内容がほとんど同じであることから、調理する妻の負担が少ない。
（1日6回の頻回食で全て違うメニューは負担が大きく難しい。また、対象者にとっても食品の種類は徐々に増やしていくことが望ましい。）

◎甘いものが少量に抑えられている。

◎刺激の強い香辛料や塩蔵品などの使用が少ない。

てんぷらうどん、ポークソテーなど・・・脂質が多く日常的な食事としては好ましくない。

あじ干物・・・塩辛い食品は刺激が強く好ましくない。

ごぼうサラダ・・・ごぼうなどの繊維の多い野菜は控える

退院後は、まずは一日５～６回程度の頻回食とし、徐々に３回食へと減らしていく。

34-179　2 か月後の栄養食事指導である。患者は指示どおり食事療法を行っており、退院後の症状は、ほとんどみられなくなった。少しずつ食事の量を増やし、体重は入院中に 10 kg 減少したが、退院後に 2 kg 増加した。患者から「腹痛は無いが、便が少し軟らかい」との発言があった。助言として、最も適切なのはどれか。 1 つ選べ。

〇⑴　現在の食事のままで、しばらく様子をみましょう。

⇒胃切除後、回復するまでには少なくとも１～2カ月程度はかかるため、しばらく様子をみながら必要に応じて食事内容を見直す。

⇒入院中の10㎏の体重減少をカバーするため、食事量は今の量で維持する必要がある。

⇒食事の回数を減らすのは、症状が治まってからとする。

⇒現在は普通食を摂取していると仮定すると、おかゆに変えることでエネルギー摂取量が減少する可能性があるため注意が必要である。