34-174,175,176 K 総合病院に勤務する管理栄養士である。消化器内科病棟を担当して、入院患者の栄養管理を行っている。


次の文を読み「174」、「175」、「176」に答えよ。

K 総合病院に勤務する管理栄養士である。消化器内科病棟を担当して、入院患者の栄養管理を行っている。

患者は、55 歳、男性、単身赴任。慢性膵炎で通院していたが、食生活は改善されないままであった。このたび、激しい上腹部痛と背部痛のために緊急入院となった。

意識障害および汎発性腹膜炎が認められ、精査の結果、慢性膵炎の急性憎悪と診断された。胆石は認められなかった。

身長 171 cm、体重 63 kg、血圧 128/79 mmHg、空腹時血液検査値は、白血球15,000/nL、HbA1c 5.8%、 血 清 ア ミ ラ ー ゼ 1,200 IU/L(基準値 32~104 IU/L)、CRP 18.2 mg/dL。

これまでの食生活は、朝食欠食、昼食はラーメンとチャーハン、夕食はほぼ毎日外食。飲酒は、毎日 3 合、30 年間続けている。

 

34-174 入院当日の栄養投与法である。最も適切なのはどれか。 1 つ選べ。

⑴ 流動食による経口栄養法を行う。

⑵ 経鼻胃管による経腸栄養法を行う。

⑶ 胃瘻を造設して、経腸栄養法を行う。

⑷ 絶食として、静脈栄養法を行う。

 

 

34-175 数週間後、上腹部痛と背部痛は無くなり、退院に向けて栄養食事指導を行っている。退院後の食生活で、遵守すべき重要事項として伝える内容である。
最も適切なのはどれか。 1 つ選べ。

⑴ 禁酒する。

⑵  1 日 3 回規則正しく食事する。

⑶ 昼食のラーメンとチャーハンをやめる。

⑷ 外食では、野菜を多く食べる。

 

34-176 退院 2 か月後の外来受診時、時々腹部痛や脂肪便を認めるとの訴えがあり、医師より栄養食事指導の依頼があった。この患者が、近所のスーパーマーケットで販売
されている惣菜を買って食事を準備する場合、主菜として勧める料理である。
最も適切なのはどれか。 1 つ選べ。

⑴ 和風オムレツ(鶏卵 80 g)

⑵ すずき(80 g)の塩焼き

⑶ いわし(80 g)の梅干し煮

⑷ アボカド(30 g)入りささ身(80 g)のサラダ

 

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〔 慢性膵炎の急性憎悪期の栄養管理の基本 〕

 経口摂取と飲水は禁止とし、膵臓の安静を保つ。

経口摂取は、症状が緩解してきてから開始する。)

② 栄養摂取方法は、中心静脈栄養法を用いる。

 補液により、尿量の維持、電解バランス調整、循環血液量保持をする。

 


 

34-174 入院当日の栄養投与法である。最も適切なのはどれか。 1 つ選べ。

⑴ 流動食による経口栄養法を行う。⇒誤り

⑵ 経鼻胃管による経腸栄養法を行う。⇒誤り

⑶ 胃瘻を造設して、経腸栄養法を行う。⇒誤り

⑷ 絶食として、静脈栄養法を行う。

慢性膵炎の急性増悪期では、絶飲食とし、体液管理は補液によって行う。

 

 

34-175 数週間後、上腹部痛と背部痛は無くなり、退院に向けて栄養食事指導を行っている。退院後の食生活で、遵守すべき重要事項として伝える内容である。
最も適切なのはどれか。 1 つ選べ。

⑴ 禁酒する。

禁酒は継続するように必ず伝える。

⑵  1 日 3 回規則正しく食事する。

栄養状態の低下を防ぐため、可能な限り1日3食規則正しく食事することが理想である。

⑶ 昼食のラーメンとチャーハンをやめる。

⑷ 外食では、野菜を多く食べる。

 

 

34-176 退院 2 か月後の外来受診時、時々腹部痛や脂肪便を認めるとの訴えがあり、医師より栄養食事指導の依頼があった。この患者が、近所のスーパーマーケットで販売
されている惣菜を買って食事を準備する場合、主菜として勧める料理である。
最も適切なのはどれか。 1 つ選べ。

 

退院後に症状が再発する場合は、再度食事内容を見直す必要がある。

脂肪便がみられる場合は、脂質摂取量を改めて確認する。

加えて、ビタミンB12の欠乏がないかも確認する。(慢性膵炎では、ビタミン B12の吸収不良がみられるため)

このことから、脂質量とビタミンB12に注目して選択肢を見ると、

 

⑴ 和風オムレツ(鶏卵 80 g)

鶏卵80gに含まれる脂質量は8.2g、ビタミンB12は0.9gである。

⑵ すずき(80 g)の塩焼き

すずき80gに含まれる脂質量は3.4g、ビタミンB12は1.6μgである。

⑶ いわし(80 g)の梅干し煮

いわし(まいわし、生)80gの脂質量は7.4g、ビタミンB12は12.6μgである。

⑷ アボカド(30 g)入りささ身(80 g)のサラダ

アボカド30gの脂質量は5.6g、ビタミンB12は(0)g

ささ身80 gの脂質量は0.6g、ビタミンB12は0.2g。

ドレッシングをかければさらに脂質量は増える。

 

以上のことから、最も脂質量が少なく、ビタミンB12 も一食分の必要量※は満たしているであろう、(2)すずき(80 g)の塩焼きが最も適切であると考える。

※ビタミンB12に関して、例えば18~29歳の女性の推奨量は1日2.4μgである。

 


 

参考

厚生労働省,日本人の食事摂取基準(2020 年版)

文部科学省,食品成分データベース

 


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