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30-152 栄疫学研究の内容と研究デザインの組合せである。

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30-152 栄養疫学研究の内容と研究デザインの組合せである。正しいのはどれか。1つ選べ。

(1)習慣的な飽和脂肪酸摂取量と脳梗塞発症の関連―――コホート研究
(2)集団の尿中ナトリウム排泄量の平均値と収縮期血圧の平均値の関連――症例対象研究
(3)食塩摂取量の推移と脳血管疾患死亡率の推移の関連――横断研究
(4)脳血管疾患群と対照群の果物摂取頻度の比較――――介入研究
(5)都道府県別野菜摂取量と脳血管疾患別死亡率の関連―――メタアナリシス研究

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(1)習慣的な飽和脂肪酸摂取量と脳梗塞発症の関連―――コホート研究
コホート研究では、特定の要因に曝露した群と曝露していない群を一定期間追跡し、研究対象となる疾病の発生率を比較することで、要因と疾病の関連を調べる。
この問題文のなかで、要因は「飽和脂肪酸摂取量」、疾病は「脳梗塞」とする。

(2)集団の尿中ナトリウム排泄量の平均値と収縮期血圧の平均値の関連―――横断研究

(3)食塩摂取量の推移と脳血管疾患死亡率の推移の関連―――――コホート研究

(4)脳血管疾患群と対照群の果物摂取頻度の比較――――症例対照研究
 ⇒症例群(脳血管疾患群)と対照群で、それぞれ果物摂取頻度の点から曝露要因を調査していることから、症例対象研究といえる。

(5)都道府県別野菜摂取量と脳血管疾患別死亡率の関連―――生態学的研究(地域相関研究)
 ⇒生物学的研究では、都道府県や国などいくつかの人口集団を対象とし、集団ごとの疾病の発生とある因子との関連を調査し、比較する。


*コホート研究
特定の要因に曝露した群と曝露していない群を一定期間追跡し、研究対象となる疾病の発生率を比較することで、要因と疾病の関連を調べる。
(例)習慣的な塩分摂取量と心筋梗塞発生の関連
喫煙の有無と肺がん発症の関連

*症例対象研究
ある疾病にかかった人たち(症例群)と、同じある疾病にかかっていない人たち(対照群)を集めて、それぞれに同じ質問をし、曝露要因を調査する。
(例)メタボリックシンドローム群(症例群)と、そうでない対象群の脂質摂取量の比較
肺がん患者(症例群)と対照群の、喫煙状況の比較。

*横断研究
横断研究は、ある一時点におけるデータ収集をもとに解析を行う最も単純な研究方法。調査は一回しか行わないので、時間的な前後関係は明らかにすることはできない。
(例)2016年4月におけるC型肺炎患者数

*生態学的研究(地域相関研究)
分析の単位が、人間の集団あるいはグループである研究。
国や県のような行政上の管轄地域間における野菜摂取率とがん死亡率との相関研究など。

*メタアナリシス研究
複数の研究の結果を統合し、より高い見地から分析すること、またはそのための手法や統計解析のこと

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