⑴ 急性膵炎で激しい上腹部痛がある場合、〔 絶食とする 〕。
急性膵炎で激しい痛みがある場合(急性期や重症期)では、
膵臓に負荷をかけないようにするために絶食とする。
〇⑵ 急性膵炎患者の食事開始時は、脂質10g/日以下とする。
正しい。急性膵炎の症状が多少落ち着き、食事を再開するようになったときは
膵臓に急激な負担がかからないように、まず脂質10g/日以下から再開し、
順調な食事摂取が出来ていると確認できれば徐々に摂取量を増やしていく。
⑶ 慢性膵炎非代償期では、たんぱく質を〔 1.0 〜 1.5 g/kg標準体重/日 程度とする 〕。
慢性膵炎では、代償期・非代償期に関わらず
高エネルギー(30〜35kcal/kg/日) & 高たんぱく質(1.0 〜 1.5 g/kg/日)とするので
選択肢の0.8gは少なすぎる。
炎症を起こしている分、および、脂肪を制限する分として
高エネルギー & 高たんぱく質が必要となる。
⑷ 慢性膵炎非代償期では、〔 脂溶性ビタミンを積極的に摂取する 〕。
慢性膵炎非代償期では、リパーゼの分泌低下などにより
脂肪の吸収障害が生じている。
そのため脂肪と共に吸収される脂溶性ビタミンも吸収率が低下しており、欠乏に注意が必要である。
よって脂溶性ビタミンは制限ではなく、積極的に摂取することが望ましい。
⑸ 慢性膵炎非代償期で二次性糖尿病がみられる場合、エネルギー量は〔 制限しない (もしくは25〜30kcal/kg標準体重に制限する)〕。
慢性膵炎非代償期では、膵臓機能がほぼ失われているため
インスリン分泌が低下し糖尿病を呈する。
しかし、インスリンだけでなくグルカゴンの分泌も低下しており
低血糖にも注意が必要である。
そのため、エネルギー量を20kcal/kgに制限すると制限のしすぎとなり危険が生じる。
そのためほとんど制限せず、25〜30kcal/kg程度にすることが望ましい。
文責:アヒル