貧血の問題は例年、登場するので確実に得点できるようにしましょう。
この問題では触れられていませんがMCVなど検査値を提示しながら
貧血の種類を同定する問題が人体や応用力試験で登場するかもしれないので
しっかりまとめておきましょう。
勉強を始めて最初の段階であれば「貧血の種類と特徴」を必ず押さえておいてください。
(1) 〔
再生不良性貧血 〕では、出血傾向がみられる。
再生不良性貧血とは、全ての血球のもとになる造血幹細胞が何らかの理由で障害され
赤血球、白血球、血小板など全ての血球が合成・成熟されなくなってしまう疾患です。
全ての血球が合成されないことを「汎血球減少」と言います。
血小板などの止血に関与する血球も減少しているため
再生不良性貧血では、「出血しやすく、止血しづらく」なります。
(2) 悪性貧血では、内因子の作用が〔
減弱 〕している。
内因子とは胃で合成&分泌される物質で、
「回腸でのビタミンB12の吸収」を助ける働きがあります。
萎縮性胃炎で内因子が分泌されにくくなり、内因子の作用が減弱すると
「ビタミンB12欠乏」となり、「悪性貧血」を発症します。
(3) 再生不良性貧血では、白血球数が〔
減少 〕する。
(1)の解説の通り、造血幹細胞以降の全ての合成・成熟がうまくいかないため
血小板や白血球が減少します。
〇(4) 溶血性貧血では、黄疸がみられる。
正しい文章です。
体外からの衝撃や、自己免疫疾患により赤血球が破壊されると
赤血球内部のヘモグロビンが大量に流出します。
本来、ヘモグロビンは分解&代謝されると
ビリルビンになり胆汁とともに排泄されますが
溶血の際は大過剰のビリルビンが合成されることになり排泄が間に合わず
体内にビリルビンが蓄積し「黄疸」が生じます。
(5)
腎性貧血では、血中エリスロポエチン値が〔
低下 〕する。
腎臓は「赤血球合成のスイッチ」をつかさどる
「造血因子:エリスロポエチン」を分泌する臓器です。
腎不全などで腎臓がダメになると、この「エリスロポエチン」が産生されなくなるため
赤血球合成のスイッチが入らず、赤血球不足(貧血)に陥ります。
これが「腎性貧血」です。
類題
37-39 25 歳、女性。易疲労感があり来院した。
35-39 血液疾患に関する記述である。
34-39 血液疾患に関する記述である。
33-41 貧血に関する記述である。
文責:アヒル