(1) 声帯は、〔
喉頭 〕にある。
選択肢の「咽頭」は、いわゆる「鼻の奥」「喉(口の奥)」から
食道へつながる箇所で「食べ物の通り道」です。
また、咽頭から気管側へつながる箇所を「喉頭」と呼び、
こちらは「呼吸する空気の通り道」です。
発声は呼気によって声帯を振動させることでおこなえるので
声帯は「空気の通り道(喉頭)」にある必要があります。
(2) 〔
ⅠI型肺胞細胞 〕は、肺サーファクタントを産生する。
サーファクタントとはリン脂質やたんぱく質から構成される成分で
「界面活性作用があり、肺胞の表面張力を低下させ、拡張しやすくします。」
と書いても、わからないと思うので、
「肺胞を広げやすくするために分泌されるもの」くらいに考えてください。
これが無いと、「肺胞を広げられない(広げた状態を維持できない)」ので
肺でのガス交換が難しくなります。
このサーファクタントを合成・分泌するのが「II型肺細胞」です。
選択肢の「I型肺細胞」は、
毛細血管と肺胞に来た気体との間で「ガス交換」を行なってくれる細胞です。
なお、未熟児で「肺サーファクタントの欠乏が見られる」ことがあり
24-47 呼吸器疾患の病態に関する記述である。
過去問に出ていますが、正直言ってサーファクタント自体覚えなくてもいいんじゃないか・・・と思います。
(3) 〔
動脈血酸素飽和度 〕は、パルスオキシメータで測定する。
動脈中の赤血球中のヘモグロビンがどのくらいの割合で酸素と結合しているのか?を見る指標が「動脈血酸素飽和度」です。
96~99%が正常とされ、90%を割り込むと正常に酸素を輸送できていない状態(呼吸不全)に陥っていると考えられます[1]。
指先や耳たぶに挟んで測定するものです。
〇(4) 機能的残気量は、残気量と予備呼気量の和である。
正しい文章です。肺活量については下記のイラストを見てください。
まず①安静吸気位 ②安静呼気位を覚えましょう。
安静時の呼吸です。 普通の呼吸ですね。
次に③最大吸気位 ④最大呼気位を覚えてください。
全力で吸える量、全力で吐ける量です。
それを元に考えると「一回換気量」「予備吸気量」
「予備呼気量」がわかると思います。
また、「残気量」は本気で搾り出しても残っている空気のことです。
イメージとしては、
空のペットボトルとかケチャップの容器とかを
どれだけ本気で潰しても多少空気が残りますよね。あれが残気量です。
まずは①〜④と「〜〜量」を4つ覚えるところから始めましょう。
そうすると図の左側の「全肺気量」や
「肺活量(思いっきり吸って思いっきり吐く量)」
「機能的残気量」, 「最大吸気量」などもわかると思います。
(5) ヘモグロビンの酸素解離曲線は、
pHが〔
低下 〕すると右方向に移動する。
ヘモグロビンの酸素解離曲線はまともに覚えると結構ややこしいので
「右方向に移動すると
ヘモグロビンから酸素が離れ
末梢組織に酸素をたくさん供給する」とだけ覚えてください。
これだけ丸暗記してもらえると
下記の項目はチマチマ覚えなくても頭の中で考えられます。
右方向に移動する条件として
・CO2分圧の上昇
・pHの低下
・体温の上昇 が挙げられ、順番に考え方を説明します。
まずCO2分圧の上昇ですが
CO2が増えているとき=酸素をたくさん消費してエネルギーを産生しているとき
なので、
末梢組織は酸素を欲しがっており、ヘモグロビンは酸素を供給しなければいけません。
したがって酸素をたくさん供給する「右方向へ移動」となります。
次にpHの低下ですが
前述の通り、血中のCO2が増えると血液中の水と反応し、「炭酸(H2CO3)」となります。
炭酸なのでpHは低下し酸性に寄ります。
※COPDで呼吸性アシドーシスになるのと同じ理由です。
3つ目は体温の上昇ですが
体温が上がるとき=代謝が活発でエネルギーをガンガン作っているとき
なので上記二つと同じ状況です。
「末梢組織が酸素を欲しがると右に移動する。」はしっかり覚えておきましょう。
左方向へ移動は「左は右の反対」でOKです。
https://youtube.com/shorts/NSkgHgN9IU4?feature=share
参考元
[1] 一般社団法人 日本呼吸器学会 (2024年7月23日閲覧)
https://www.jrs.or.jp/citizen/faq/q30.html
文責:アヒル