誤っているのは、(4)見かけの消化吸収率は、摂取量から糞中内因性排泄量を差し引いて求める。
〇⑴ 消化吸収率とは、摂取した栄養素が吸収された割合を示す。
消化吸収率には、「見かけの消化吸収率」と「真の消化吸収率」がある。
見かけの消化吸収率=吸収された栄養素/摂取した食品の栄養素量×100
=(摂取した栄養素量-糞便中排泄栄養素量)/摂取した食品中の栄養素量×100
真の消化吸収率=[摂取した栄養素量-(糞便中排泄栄養素量-内因性損失量)]/摂取した食品中の栄養素量×100
〇⑵ 消化吸収率は、調理の影響を受ける。
例えば、脂溶性ビタミンの消化吸収率は、食品中の脂質含有量の影響を受ける。
〇⑶ 消化吸収率は、同時に摂取する食品成分の影響を受ける。
例えば、非ヘム鉄の吸収率はビタミンCや動物性たんぱく質と同時に摂取することにより高まり、逆に食物繊維、シュウ酸、フィチン酸、タンニンなどと同時に摂取することにより低くなる。
⑷
真の消化吸収率は、摂取量から糞中内因性排泄量を差し引いて求める。
〇⑸ 真の消化吸収率は、見かけの消化吸収率より高い。
見かけの消化吸収率は、糞便中の排泄栄養素量をすべて未吸収として判断している。しかし、その中には内因性損失量(腸内細菌や消化液など)も含まれる。真の消化吸収率では、糞便中の排泄栄養素量から内因性損失量を差し引くため、見かけの消化吸収率より高い値となる。