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次の文を読み「183」、「184」、「185」に答えよ。K介護老人福祉施設に勤務する管理栄養士である。

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次の文を読み「183」、「184」、「185」に答えよ。
 K介護老人福祉施設に勤務する管理栄養士である。利用者への食事支援を行っている。
 利用者は、75歳、女性。70歳時に脳梗塞を発症し、N病院に入院した。退院後、自宅でごろごろしていることが多くなり、歩行が不自由になったため、2か月前に入所した。現在、食事は自立しており、普通食を食べている。最近、水を飲む際にむせるようになり、微熱が続いている。


30-183 この利用者の食事形態を考えるうえで、優先されるアセスメント項目である。最も適切なのはどれか。1つ選べ。
(1)体重
(2)嗜好
(3)嚥下機能
(4)食事摂取量


30-184 この利用者に提供すべき食事の形態である。正しいのはどれか。2つ選べ。
(1)液状でさらさらしている。
(2)まとまりやすい
(3)べたつかない
(4)つるっと滑りやすい
(5)細かく刻まれている


30-185 この利用者の副食として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。
(1)銀杏入り茶碗蒸し
(2)豆腐とわかめの味噌汁
(3)ところてんの酢醤油かけ
(4)卵豆腐の銀あん

解答・解説を見る

正しいのは
問183  (3)嚥下機能
問184  (2)まとまりやすい、(3)べたつかない
問185  (4)卵豆腐の銀あん


<嚥下障害>

 ・この患者の例では、「水を飲む際にむせる」ことから嚥下障害が疑われる。
 ・嚥下障害は誤嚥性肺炎の原因となり、栄養摂取に経管栄養や胃瘻を必要とすることがある。
 ・発熱がみられることから、誤嚥性肺炎が疑われる。

<嚥下食で注意すること>

 ・粘度、とろみがあって、食塊を形成しやすい
 ・口腔内を滑らかに通過する。
 ・べたつかない。
 ・熱すぎず、冷たすぎない(体温±20℃程度)
 ・少量高エネルギー
 ・水のようなさらさらしたものや、刻み食は誤嚥の原因となるため避ける。

<誤嚥しやすい食べ物>*1

① サラサラした液体

 サラサラした液体は速いスピードで咽頭を通過することから、誤嚥を起こしやすい。サラサラした液体は増粘剤でとろみをつけたり、ゼラチンや寒天でゼリー状にして摂取すると良い。
 (例)水、お茶、汁物、ジュースなど


② 口腔内でバラバラになりまとまりにくい物
 高齢者では、唾液の分泌量が少なくなるため、このような食品は向かない。また、口腔の麻痺のある高齢者では、バラバラになりまとまりにくい食品は食べづらい。
 (例)肉,かまぼこ,こんにゃく,れんこん,ピーナッツなど


③ 水分が少なく,パサパサした物
 水分の少ない食品では、②と同様に口腔内でバラバラになりまとまりにくく、食塊を形成しづらい。
 (例)パン,カステラ,マドレーヌ,高野豆腐など


④ 口腔内や咽頭に貼り付きやすい物

 このような食品は、口腔内や咽頭に張り付いてしまう可能性がある。また、薄く切った野菜にも注意が必要である。
 (例)焼き海苔,わかめ,もなかの皮,ウエハース,餅など

⑤ 粘りの強い物
 粘りの強いものは口腔内やのどに貼りつきやすい。
 (例)もちや団子


⑥ すべりのよすぎる物

 速いスピードで咽頭へ送り込まれるため、ムセや誤嚥の原因となりやすい。
 (例)ところてん、寒天ゼリーなど


⑦ 硬いもの
 高齢者では、噛む力の低下や歯の欠損などによりかむ力が低下し、このような硬い食品は適さない。 
 (例)たこ、いか、ごぼう、れんこんなど


酸味の強い物
 酸味が強い食品はむせやすく、注意が必要である。
 (例)酢の物やかんきつ類など


*1:http://www.swallow-web.com/engesyoku/engesyoku1.html

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