(1) 直腸がん ― 鮮血便
タール便は胃や小腸などの上部消化管からの出血が原因となる。これは、消化管からの出血によって出た血液が胃液で酸化され、黒色に変化するためである。
しかし、直腸は身体の中でも下部に位置するため、出血しても血液が胃液で酸化されない。そのため、直腸がんでは、鮮血便がみられる。
・下部消化管からの出血 ⇒ 鮮血便
・上部消化管からの出血 ⇒ タール便
(2) 大腸がん - 器質性便秘
過敏性腸症候群では、器質的異常はみられないため器質性便秘は起こさない。
便秘には大きく分けて機能性便秘と器質性便秘があるが、機能性便秘の主な原因は、胃、小腸、大腸などの消化器官の機能低下である。
器質性便秘は、大腸に何らかの疾患があり正常な働きができていなかったり、大腸の形質的な問題が原因となる。また、器質性便秘を改善するためには原因となる疾患の治療が必要であるため、生活習慣の見直しだけでは治すことはできない。
(3)溶血性貧血 - 黄疸
鉄欠乏性貧血では、黄疸が見られない。溶血性貧血では、多量の赤血球が破壊されることによりビリルビンの血中濃度が上昇し黄疸が見られる。
(4) 十二指腸潰瘍 - 吐血
喀血は、肺や気管支などの呼吸器からの出血によるものである。十二指腸のような上部消化管からの出血を吐くことは吐血という。
〇(5) 右心不全 - 腹水
右心不全の症状には、胸水、腹水、浮腫、頸静脈怒張などがある。
また、左心不全の症状には、頻脈や起座呼吸、チアノーゼ、肺水腫などがある。