年齢調整死亡率とは、文字通り「年齢を調整した死亡率」のことです。では、なぜ年齢を調整するのかというと、一言で言えば異なる年齢構成の都道府県の死亡率を比較するためです。実際、都道府県によって人口を構成する年齢の割合が異なるため、東京のような若い人が多く住む県では死亡率が低く、逆に高齢化が進む県では死亡率が高くなる傾向があります。このような場合、死亡率を単純に比較することはできません。
⑴
相対危険度は、要因の曝露群と非曝露群の死亡率の比によって算出する。
曝露群と非曝露群の死亡比によって算出されるのは相対危険度である。
⑵
寄与危険度は、要因の曝露群と非曝露群の死亡率の差によって算出する。
曝露群と非曝露群の差によって求められるのは、寄与危険度である。
⑶
観察集団の年齢階級別死亡率を用いて算出する。
年齢調整死亡率は計算方法により直接法と間接法に分けられる。
年齢調整死亡率(直接法)は、観察集団の年齢階級別死亡率と基準集団の年齢階級別人口を用いて算出する。
年齢調整死亡率(間接法)は、標準化死亡比(SMR)と基準集団粗死亡率から計算する。
なお、標準化死亡比は観察集団の全死亡数と年齢階級別人口、基準集団の年齢階級別死亡率(基準死亡率)から計算される。
⑷ 標準化死亡比を用いて計算するのは、
間接法である。
〇⑸ 基準人口の年齢構成によって、数値は変化する。
英単語
- 年齢調整死亡率(age-adjusted death rate、またはage adjusted mortality rate)
- 標準化死亡比(standardized mortality ratio, SMR)
- 相対危険(relative risk, RR)
- 寄与危険(attributable risk, AR)
参考文献
永井正規(1990). 第24 巻日循協誌 第 3 号調整, p158. (訂正)死亡率(その1) ―意義と計算法―.