(1)α-アミラーゼは、膵臓で
活性型の酵素として分泌される。
・チモーゲン( zymogen)は、酵素前駆体ともいわれ不活性型の酵素前駆体のことを示す。
・膵臓から分泌されるたんぱく質分解酵素であるトリプシノーゲンやキモトリプシノーゲン、カルボキシペプチダーゼなどは不活性型の状態で分泌される。この理由は、膵管内での自己消化を防ぐためである。膵臓から分泌された不活性型の酵素であるトリプシノーゲンは小腸微絨毛膜の酵素によって活性型の酵素であるトリプシンに変えられる。
・α-アミラーゼは、多糖類のα-1,4グリコシド結合を加水分解する酵素である。唾液に含まれるものと、膵臓から分泌されるものがある。
(2)トリプシンは、
エンド型酵素である。
・エンド型酵素・・・ペプチド結合を非末端から加水分解する酵素
・エキソ型酵素・・・ペプチド結合を末端から一つずつ加水分解する酵素
(3)膵リパーゼの働きは、胆汁酸によって促される。
・膵リパーゼは、主に脂質の代謝に関与している。(トリアシルグリセロールは、小腸で膵リパーゼの作用を受けて脂肪酸とモノアシルグリセロールとなる。)
・膵リパーゼが作用するためには、胆汁酸による脂肪のミセル化が必要である。
(4)ペプシンの至適 pH は、
酸性である。
〇(5)スクラーゼは、膜消化に関わる。
・スクラーゼは、スクロースを分解しフルクトースとグルコースを生成する。
・膜消化に関わる酵素にはスクラーゼ以外にも、ラクターゼ、トレハラーゼ、グルコアミラーゼ、イソマルターゼなどがある。
①ラクターゼ:乳糖をグルコースとガラクトースに分解
②トレハラーゼ:トレハロースをグルコース2分子に分解
③グルコアミラーゼ、イソマルターゼ:でんぷんの消化産物(マルトースなど)をグルコースに分解