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32-181,182,183 K内科クリニックに勤務する管理栄養士である。居宅療養管理指導を行っている。

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次の文を読み「181」、「182」、「183」に答えよ。

K内科クリニックに勤務する管理栄養士である。居宅療養管理指導を行っている。
患者は、84歳、女性。約30年前に糖尿病を発症し、現在は1,200 kcalの食事療法と毎食、食前に即効型インスリンの薬物療法で治療を続けている。糖尿病網膜症により視力はほとんどないために、87歳の夫が食事を作って食べさせ、一緒に入浴するなど、日常生活のほとんどを介護している。
身長147 cm、体重52 kg、血圧138/94 mmHg。空腹時血液検査値は、アルブミン4.0 g/dL、血糖 118 mg/dL、HbA1c 7.1%、トリグリセリド95 mg/dL、総コレステロール175 mg/dL、LDL-コレステロール105 mg/dL、HDL-コレステロール48 mg/dL、尿素窒素16 mg/dL、クレアチニン0.7 mg/dL。

32-181 患者の栄養アセスメントの結果である。正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)脂質異常症にあてはまる。
(2)標準体重の範囲を超えている。
(3)低栄養状態である。
(4)糖尿病腎症が進展している。
(5)血糖のコントロールは良好である。

32-182 昨日の食事メモをもとにして、日常の食事内容をアセスメントした。ほぼ毎日これに近い食事を続けているという。管理栄養士が患者に最初にかける言葉である。最も適切なのはどれか。1つ選べ。

(1)食塩摂取量が多めですね。
(2)たんぱく質摂取量が少なめですね。
(3)簡単な料理の繰り返しですね。
(4)3食バランスよく摂取できていますね。

32-183 これまで夕食後20時ぐらいにお風呂に入っていた。最近、夫が19時からの野球中継を観るため、夕食前の17時にお風呂に入るようになり、風呂上りに低血糖になることがある、と患者から相談された。これに対するアドバイスである。最も適切なのはどれか。1つ選べ。
(1)低血糖を防ぐため、昼食の量を増やし、その分夕食の量を減らす。
(2)低血糖を防ぐため、朝食の果物を入浴前の補食に回す。
(3)低血糖を防ぐため、入浴の時間を短くする。
(4)夫にテレビ観戦を我慢してもらい、これまでと同じ時間に入浴してもらう。

解答・解説を見る

32-181 患者の栄養アセスメントの結果である。正しいのはどれか。1つ選べ。

(1)脂質異常症にあてはまらない。

  患者の血中脂質の検査値をみると、トリグリセリド95 mg/dL、総コレステロール175 mg/dL、LDL-コレステロール105 mg/dL、HDL-コレステロール48 mg/dLである。
どれも、脂質異常症の診断基準にはあてはまらない。

(2)標準体重の範囲内である。

 食事摂取基準によれば、70歳以上の者が目標とするBMIは、21.5~24.9である。この患者のBMIは、24.0で目標の範囲内である。

(3)低栄養状態ではない。

 この患者のアルブミンは3.5g/dl以上(4.0 g/dL、)であり、低栄養状態ではないと考えられる。

(4)糖尿病腎症は進展していない。

 尿素窒素16 mg/dL、クレアチニン0.7 mg/dLから、糖尿病腎症は進展していないと考えられる。

(5)血糖のコントロールは良好である。

 1~2か月間の平均的な血糖値を反映する指標としてHbA1cがある。高齢者糖尿病診療ガイドラインによれば、この患者の目標とするHbA1c値は8.5未満である。(→高齢者糖尿病の血糖コントロール目標について(日本糖尿病学会)

32-182 昨日の食事メモをもとにして、日常の食事内容をアセスメントした。ほぼ毎日これに近い食事を続けているという。管理栄養士が患者に最初にかける言葉である。最も適切なのはどれか。1つ選べ。

(4)3食バランスよく摂取できていますね。

 まずは、「一日3食食べられていること」や、「毎食野菜を摂取していること」、主食量はやや少なめであるが「ご飯の量が毎食同じであること」、「毎食タンパク質を摂取していること」など良い点や本人が頑張っていると思われることを褒めることが重要であると考えられる。

 味噌汁を一日2回摂取していたり、煮しめやツナ缶、野菜炒め等などから塩分摂取量はやや多めである可能性があるが、はじめから否定的な言葉や患者の悪い点を指摘する言葉は適切とはいえない。

32-183 これまで夕食後20時ぐらいにお風呂に入っていた。最近、夫が19時からの野球中継を観るため、夕食前の17時にお風呂に入るようになり、風呂上りに低血糖になることがある、と患者から相談された。これに対するアドバイスである。最も適切なのはどれか。1つ選べ。

(2)低血糖を防ぐため、朝食の果物を入浴前の補食に回す。

 入浴前に糖質を含む食品を軽く捕食することで、入浴による低血糖を予防する。高齢者では低血糖が遷延しやすいため特に注意が必要である。

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