野菜は加熱によりどれだけペクチンを分解できるか?で硬さor軟らかさが決まる。
90°C前後で加熱するとペクチンは分解され軟化する。
一方で65°C程度で加熱するとペクチンが硬化し、仕上がりも硬くなってしまう。
またそれ以外にpHなども作用するためしっかりおさえておきたい。
⑴ 山菜を重曹水でゆでる。 〔 軟化の促進 〕
重曹はアルカリ性で、細胞壁を分解しやすく軟化を促進する。
ただし、どちらかというと山菜特有のえぐみを取る(あく抜き)目的の方がメインである。
⑵ れんこんを酢水でゆでる。 〔 軟化の抑制 〕
37-64に出題されている。れんこんの歯応えを良くするために、食酢を加えてゆでる。
ペクチンはpHの低下(酸性化)によって分解されづらくなり硬く仕上がる。
れんこんなどの歯応えを楽しみたい野菜はペクチンの低下を防ぐ方が良いので食酢を加える。
〇⑶ 黒豆を鉄なべで煮る。 色の安定化
正しい。
37-44に「(誤)なすのナスニンは、金属イオンに対するキレート作用で退色する。(正しくは発色が良くなる)」が出題されている。
ナスニンはアントシアニン系の色素で
鉄などの金属イオンと錯体を形成し、安定した鮮やかな深い青色を示す。
黒豆の黒色もアントシアニン系の色素で、
鉄鍋で煮ることで鉄イオンと錯体を形成し深い黒色に発色する。
⑷ さつまいもをミョウバン入りの水でゆでる。 〔 軟化の抑制 〕
37-64(2)にそのまま出題されている。
さつまいもを茹でるときにミョウバンを加えるのは発色をよくすることと、煮崩れ防止(軟化の抑制)の2点のためである。
ミョウバンは酸性の物質で、(2)と同様にペクチンの分解を抑制し、硬く仕上がる。
さつまいもの場合は元々が軟らかいので煮崩れ防止として有効である。
ちなみに、さつまいもの黄色色素の一部はフラボノイド系の色素であり、
ミョウバンに含まれるアルミニウムイオンによって発色が強くなり綺麗に仕上がる。
⑸ カリフラワーを酢水でゆでる。 〔 白さの保持 〕
酢水でゆでる目的は、白さの保持(色の安定化)である。
そもそもカリフラワーはアクが少なくアクぬきする必要がない。
文責:アヒル