38-82 栄養アセスメントに関する記述である。

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38-82 栄養アセスメントに関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。

 

⑴ 生体電気インピーダンス(BIA)法は、脂肪組織が除脂肪組織より電気を通しやすいことを利用している。

⑵ 上腕三頭筋皮下脂肪厚は、対象者の利き腕で計測する。

⑶ 尿中3–メチルヒスチジン排泄量は、骨格筋量の評価指標として用いられる。

⑷ レチノール結合たんぱく質は、アルブミンに比べ長期間の栄養状態を反映する。

⑸ 上腕周囲長は、糖質代謝の評価指標として用いられる。

 

厚生労働省. 『第38回管理栄養士国家試験の問題(午後の部)』(2024) .

https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001218343.pdf, (202410月1日閲覧)

 

解答・解説を見る

 

(1) 生体電気インピーダンス(BIA)法は、脂肪組織が除脂肪組織より電気を〔 通しにくい 〕ことを利用している。

生体電気インピーダンス(BIA)法は体組成の計測を行う方法の1つである。

生体電気インピーダンス(BIA)法では、身体に弱い電流を流し、電気抵抗(インピーダンス)を計測することによって体組成を測定する。

脂肪組織は筋肉など他の組織と比べて電気抵抗が高い(=電気を通しにくい)性質を持っており、この性質を利用して測定を行う。

筋肉→細胞内に水を多く含むので通電しやすい
脂肪→細胞内に脂肪を多く含み、その分、水が少ないので通電しにくい

 

(2) 上腕三頭筋皮下脂肪厚は、対象者の〔 利き腕と反対の腕 〕で計測する。

利き腕ではない方の腕の上腕三頭筋の脂肪組織を測定器で軽くつまむようにして計測する。

上腕三頭筋皮下脂肪厚は体脂肪量や上腕筋囲、上腕筋面積の推定に用いられる。

 

(3) 尿中 3 ─メチルヒスチジン排泄量は、骨格筋量の評価指標として用いられる。

正しい文章である。尿中 3 ─メチルヒスチジンは筋たんぱく質の代謝産物で、

筋たんぱく質異化量(分解量)を反映し、再利用も更なる代謝も受けないためそのまま尿中に排泄される。

そのため、筋たんぱく質が分解量が増えると、尿中3-メチルヒスチジンの排泄量は増加する。

ゆえに筋たんぱく質の分解量の指標として扱う。

 

(4) レチノール結合たんぱく質は、アルブミンに比べ〔 短期間 〕の栄養状態を反映する。

レチノール結合たんぱく質は、

半減期の短い「高速(急速)代謝回転たんぱく質(RTP)」の一つで、短期間の栄養状態を反映する。

アルブミンは半減期の長い血清たんぱく質であり、数週間のたんぱく質代謝の指標となる。

 

短期間での栄養改善の指標を「動的栄養アセスメント指標

中長期間での栄養改善の指標を「静的栄養アセスメント指標」と呼ぶ。

この手の問題は基礎栄養や臨床栄養でも出題されるため必ず押さえる。

RTPとは?  – カコモンズ

RTPRapid turnover protein)とは、肝臓で合成される半減期の短いたんぱく質のことをいう。

RTPは主にトランスフェリン(Tf)、レチノール結合蛋白(RBP)、トランスサイレチン(プレアルブミン、PA)3種類がある。

半減期とは、ある成分の濃度が半減するまでの時間のこと

RTPについては、下記の問題で解説しているので併せて確認を。

38-74 たんぱく質・アミノ酸の代謝に関する記述である。

 

(5) 上腕周囲長は、〔 骨格筋量 〕の評価指標として用いられる。

上腕周囲長は、利き腕ではない方の上腕中点の周囲長を計測する。

上腕筋囲や上腕筋面積の推定にも用いられる。

  • 身体計測値のまとめ

身体計測値と計算式(身長・体重から上腕周囲長・上腕三頭筋皮下脂肪厚・上腕筋囲など)

 

類似問題

25-90 栄養アセスメントの検査項目と病態に関する組合せである。

24-123 栄養状態の評価指標を示す臨床検査についての記述である。

30-116 寝たきりの患者の身長を推定するための計測項目である。

36-113 生体電気インピーダンス法(BIA)を用いた体組成の計測に関する記述である。

38-74 たんぱく質・アミノ酸の代謝に関する記述である。

 

 

文責:アヒル(O)


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