38-37 生殖器の構造・機能および生殖器疾患に関する記述である。

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38-37 生殖器の構造・機能および生殖器疾患に関する記述である。最も適当なのはどれか1つ選べ。

⑴ 精巣のセルトリ細胞は、ウォルフ管を発育させる物質を分泌する。

⑵ PSAは、卵巣がんの腫瘍マーカーである。

⑶ 閉経後の乳がんのリスク因子に、肥満がある。

⑷ 子宮筋腫は、エストロゲン非依存性疾患である。

⑸ 子宮頸がんの原因で最も多いのは、性器クラミジア感染である。

 

厚生労働省. 『第38回管理栄養士国家試験の問題(午前の部)』(2024) . https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001218343.pdf, (2024年7月24日閲覧)

 

解答・解説を見る

 

(1) 精巣の〔 ライディッヒ細胞 〕は、ウォルフ管を発育させる物質を分泌する。

この問題では「ライディッヒ細胞」と「セルトリ細胞」を

区別出来ているか問われている問題です。

ライディッヒ細胞テストステロン(男性ホルモン)を放出する細胞です。

ウォルフ管テストステロンによって成熟し、精巣上体や精嚢へと変化していきます。

一方で、セルトリ細胞は精子を形成する細胞で、

卵胞刺激ホルモン(FSH)によって精子形成を進めます。

ちなみに、「テストステロン」は名前の通り「ステロイドホルモン」です。

 

 

(2) PSAは、〔 前立腺がん 〕の腫瘍マーカーである。

「PSAは前立腺がんの腫瘍マーカーである」は頻出です。必ず覚えましょう。

子宮頚がん, 子宮体がん卵巣がんのマーカーとしてはCA125などがあります。

さらにそのほかの腫瘍マーカーとして「血清αフェトプロテイン(肝癌の腫瘍マーカー)」などを覚えておきましょう。

※以下、読まなくてもいい余談です
PSAのPはprostate grand(前立腺)のpです。
アラキドン酸から合成されるエイコサノイドの「プロスタグランジン」は
前立腺(prostate gland)で合成分泌されると考えられており
prostate glandから出るホルモン(〜in)でprostaglandinと名付けられました。

 

 

(3) 閉経後の乳がんのリスク因子に、肥満がある。

正しい文章です。

まずはじめに、エストロゲンは、閉経前は卵巣で産生されますが、

閉経後は脂肪細胞などで産生されるホルモンです。

また、乳がん発症の原因の一つとして

体内でのエストロゲン濃度が高い状態(暴露)が関与しています。

そのため、

閉経前は「卵巣でのエストロゲン合成を止める」ためにホルモン療法が行われたりします。

一方で、閉経後は“女性であっても”、

副腎から分泌される男性ホルモンをもとに幾ばくかのエストロゲンを産生」し、

この産生の際に、脂肪細胞などで活発に合成される酵素が必要なため、

肥満の回避や特定の酵素の阻害剤服用などが行われたりします。

まとめると

肥満→脂肪細胞が多い→特定の酵素がたくさん作られる→エストロゲンが増える→乳がんのリスク

という流れなので、選択肢の通りの状況となります。

 

 

(4) 子宮筋腫は、〔 エストロゲン依存性疾患 〕である。

子宮筋腫は子宮の平滑筋に生じる良性の腫瘍です。

エストロゲンは「子宮内膜」を増殖させたり肥厚させるホルモンですが

その効果が裏目となり、子宮筋腫では

筋腫を増殖させる要因として働いてしまいます。

なお、閉経によりエストロゲン分泌が低下すると

筋腫が小さくなり症状が軽くなります。

 

 

(5) 子宮頸がんの原因で最も多いのは、〔 ヒトパピローマウイルス(HPV) 〕感染である。

子宮頚がんの原因といばヒトパピローマウイルスです。

頻出なので絶対に覚えてください。

そしてその最も多い原因を回避するために「HPVワクチン」があります。

性器クラミジアは性感染症の一つで「不妊」や「産道での新生児への感染」など様々な問題が生じます。

 

 

文責:アヒル


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