35-171,172,173 K 総合病院に勤務する管理栄養士である。患者は、18 歳、男性、大学生。身長 172 cm、体重 63 kg、BMI 21.3 kg/m2。1か月前から腹痛、下痢があり、近医では胃腸炎の疑いとして投薬されていたが、症状は軽快しなかった。

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35-171,172,173  次の文を読み「171」、「172」、「173」に答えよ。

K 総合病院に勤務する管理栄養士である。患者は、18 歳、男性、大学生。身長 172 cm、体重 63 kg、BMI 21.3 kg/m2。1か月前から腹痛、下痢があり、近医では胃腸炎の疑いとして投薬されていたが、症状は軽快しなかった。 1 週間前あたりから、腹痛が増強、38℃ 程度の発熱があり、朝から数回の嘔吐、少量の下血もあったため、当院の救急外来を受診、イレウス状態であり入院した。

35-171 入院当日の栄養投与法である。最も適切なのはどれか。 1 つ選べ。

⑴ 経口からの流動食

⑵ 経鼻チューブからの経腸栄養剤

⑶ 末梢静脈からの維持輸液

⑷ 中心静脈からの高カロリー輸液

35-172 精査の結果、クローン病と診断され、数週間の内科的治療が奏効して、寛解状態になった。 1 日 600 kcal の食事と成分栄養剤を併用した栄養療法を開始することになった。エネルギー 600 kcal、たんぱく質 30 g、脂質 10 g の食事を構成するための、たんぱく質源となる食品の目安である。最も適切なのはどれか。 1 つ選べ。

⑴ 白身魚 50 g、鶏肉(皮なし)30 g、鶏卵 30 g、豆腐 50 g

⑵ 青魚 50 g、鶏肉(皮なし)30 g、鶏卵 30 g、豆腐 50 g

⑶ 白身魚 50 g、鶏卵 60 g、豆腐 50 g、普通牛乳 100 g

⑷ 鶏肉(皮なし)50 g、鶏卵 60 g、豆腐 100 g

 

35-173 その後、成分栄養剤は利用しつつ、退院後に向けて栄養食事指導を行った。患者の母親から、弁当として望ましいおかずを教えてほしいとの希望があった。具体的な組合せ例である。最も適切なのはどれか。 1 つ選べ。

⑴ あじ竜田揚げ、高野豆腐煮物、コーンサラダ

⑵ 卵焼き、筑前煮、きんぴらごぼう

⑶ 蒸し鶏、鮭塩焼き、白菜おかか和え

⑷ ハンバーグ、しゅうまい、ポテトサラダ

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K 総合病院に勤務する管理栄養士である。患者は、18 歳、男性、大学生。身長 172 cm、体重 63 kg、BMI 21.3 kg/m2。1か月前から腹痛、下痢があり、近医では胃腸炎の疑いとして投薬されていたが、症状は軽快しなかった。 1 週間前あたりから、腹痛が増強、38℃ 程度の発熱があり、朝から数回の嘔吐、少量の下血もあったため、当院の救急外来を受診、イレウス状態であり入院した。

35-171 入院当日の栄養投与法である。最も適切なのはどれか。 1 つ選べ。

⑴ 経口からの流動食

イレウスでは、腸管が閉塞しており、腸管を使用できないことから経口摂取は禁忌である。

⑵ 経鼻チューブからの経腸栄養剤

イレウスでは、腸管が閉塞しており、腸管を使用できないことから経腸栄養剤の使用は適切ではない。

⑶ 末梢静脈からの維持輸液

末梢静脈栄養法は、短期的な栄養管理に用いられる。

腸管を使用せずに栄養素の投与が可能であり、最適な選択肢と考えられる。

⑷ 中心静脈からの高カロリー輸液

栄養状態の極度な低下や重篤な出血や下痢がある場合などは、中心静脈栄養法も検討されるが、この症例では最も適切とはいえない。

 

35-172 精査の結果、クローン病と診断され、数週間の内科的治療が奏効して、寛解状態になった。 1 日 600 kcal の食事と成分栄養剤を併用した栄養療法を開始することになった。エネルギー 600 kcal、たんぱく質 30 g、脂質 10 g の食事を構成するための、たんぱく質源となる食品の目安である。最も適切なのはどれか。 1 つ選べ。

クローン病では、低残渣食と脂質摂取量を抑えることがポイントとなる。

⑴ 白身魚 50 g、鶏肉(皮なし)30 g、鶏卵 30 g、豆腐 50 g

⑵ 青魚 50 g、鶏肉(皮なし)30 g、鶏卵 30 g、豆腐 50 g

青魚は白身魚と比べて脂質含有量が多いため、不適切である。

⑶ 白身魚 50 g、鶏卵 60 g、豆腐 50 g、普通牛乳 100 g

普通牛乳は、比較的脂質を多く含むことから、代替品として低脂肪乳や無脂肪乳、スキムミルク、豆乳を提供するほうが適切である。

⑷ 鶏肉(皮なし)50 g、鶏卵 60 g、豆腐 100 g

クローン病では、n-3 系脂肪酸の摂取は腸管粘膜局所の炎症を抑制することが報告されており¹、摂取が勧められるが、(4)の食品には、白身魚などのn-3系脂肪酸を多く含む食品がないためやや不適切。

 

35-173 その後、成分栄養剤は利用しつつ、退院後に向けて栄養食事指導を行った。患者の母親から、弁当として望ましいおかずを教えてほしいとの希望があった。具体的な組合せ例である。最も適切なのはどれか。 1 つ選べ。

⑴ あじ竜田揚げ、高野豆腐煮物、コーンサラダ

⑵ 卵焼き、筑前煮、きんぴらごぼう

⑶ 蒸し鶏、鮭塩焼き、白菜おかか和え

⑷ ハンバーグ、しゅうまい、ポテトサラダ

1 Boudreau MD, Chanmugam PS, Hart SB, Lee SH, Hwang DH. Lack of dose response by dietary n-3 fatty acids at a constant ratio of n-3 to n-6 fatty acids in suppressing eicosanoid biosynthesis from arachidonic acid. Am J Clin Nutr. 1991 Jul;54(1):111-7. doi: 10.1093/ajcn/54.1.111. PMID: 1905475.


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