38-131 甲状腺疾患の病態と栄養管理に関する記述である。

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38-131 甲状腺疾患の病態と栄養管理に関する記述である。最も適当なのはどれか。 1つ選べ。

 

⑴ バセドウ病では、血中甲状腺ホルモン値が低値である。

⑵ バセドウ病では、エネルギーは 1520 kcal/kg 標準体重/日とする。

⑶ 橋本病では、血中総コレステロール値が低下する。

⑷ 橋本病では、浮腫を認める。

⑸ 橋本病では、TSH 受容体抗体陽性となる。

 

厚生労働省. 『第38回管理栄養士国家試験の問題(午後の部)』(2024) .

https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001218344.pdf, (2024年10月31日閲覧)

 

解答・解説を見る

 

甲状腺機能に関わる問題は頻繁に出題されるので

甲状腺機能亢進症(バセドウ病)や

甲状腺機能低下症(橋本病, クレチン病)などはしっかりおさえておきましょう。

 

また、大まかな方向として

甲状腺機能亢進症 エネルギー消費(代謝) 増加

甲状腺機能低下症エネルギー消費(代謝) 減少

と捉えておくとイメージしやすいと思います。

 

また、株式会社メディックメディアが出版している

「レビューブック」には、女性のイラスト付きでこれらの疾病の特徴が記載されています。

文字で見るよりもわかりやすいと思うのでぜひ参考にしてみましょう。

 

⑴ バセドウ病では、血中甲状腺ホルモン値が〔 高値 〕である。

バセドウ病は「甲状腺機能亢進症」なので甲状腺ホルモンの分泌が過剰になっています。

※注意しなければいけないのは、

●甲状腺ホルモンを分泌させるために働くホルモン

甲状腺刺激ホルモン」や「甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン」の分泌は、フィードバック作用により低下しています。

これらのホルモンは甲状腺ホルモンをたくさん出させるためのものなので、

すでに過剰分泌されている場合、不要となり分泌は低下しています。

 

⑵ バセドウ病では、エネルギーは35~40 kcal/kg 標準体重/日 〕とする。

バセドウ病は「甲状腺機能亢進症」であり、甲状腺ホルモンの分泌過剰の影響で代謝が亢進しています。

増加したエネルギー消費量分を補うため摂取エネルギーは「35〜40 kcal/kg標準体重/日」とします。

 

⑶ 橋本病では、血中総コレステロール値が〔 上昇 〕する。

橋本病は「甲状腺機能低下症」であり、甲状腺ホルモンの分泌が低下しています。

その結果、エネルギー代謝だけでなく、コレステロールの代謝(分解)も低下しているため

結果的に「血中コレステロール値は増加」します。

 

⑷ 橋本病では、浮腫を認める。

正しい選択肢です。

(3)の解説のとおり、橋本病は「甲状腺機能低下症」であり、エネルギー代謝などが低下しています。

また、そのほかに低体温や徐脈、便秘、疲労感、むくみなどが生じます。

甲状腺機能低下=エネルギー代謝などが低下=太る&浮腫む

くらいに覚えておくとわかりやすいと思います。

 

⑸ 橋本病では、〔 甲状腺自己抗体陽性 〕となる

橋本病では「甲状腺に対する自己抗体が産生されます

TSH受容体抗体が陽性になるのは「バセドウ病」です。

 

 

文責:アヒル


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