⑴ 入院栄養食事指導料 血中ヘモグロビン濃度 〔 10 g/dL以下 〕の鉄欠乏性貧血患者
入院栄養食事指導料で算定対象となる特別食のうち「貧血食」は
血中ヘモグロビン濃度 10 g/dL 以下の鉄欠乏性貧血患者が算定対象となります。
この特別食(貧血食)での数字も含めて
「血中ヘモグロビン濃度 が10 g/dLを切ると貧血の可能性アリ」と覚えておくと
患者データの読み取りを行う問題もかなり対応できると思います。
※本来、血中ヘモグロビン濃度の基準下限値は
男女で13g/dLまたは11g/dLだったりしますが
国試では10g/dL以下の極端な値で出題されるので
「特別食」絡みの「10g/dL」を一つの目安として覚えておくと
覚える量も少なく対応しやすいかと思います。
問題文で「ヘモグロビンが少ない」ことを強調したいとき
10.5や10.9などではあまり登場せず9.5など10以下で登場することが多いからです。
⑵ 摂食障害入院医療管理加算 BMI 18.0 kg/m2 の者
摂食障害入院医療管理加算の対象者となる基準は、
「摂食障害による著しい体重減少が認められる者であって、BMI(Body Mass Index)が 15 未満であるものをいう。」
と定められています(診療報酬A231-4 摂食障害入院医療管理加算より抜粋)。
解き方のテクニックですが
「単純にBMI18.0の人を対象にしていいんだろうか?
モデルさんはみんな摂食障害に認定するような基準があっていいのかな・・・?」と
冷静に考えてみると、無理のある選択肢でバツということがわかると思います。
〇⑶ 栄養改善加算 食事摂取量が 50% の者
栄養改善加算は下記のいずれかに該当する人が対象者となります。
①BMIが18.5未満の者
②直近1〜6ヶ月間で3%以上、または直近6ヶ月で2〜3kg以上の体重減少が認められる者
③血清アルブミンが3.5g/dL以下
④食事摂取量が不良(75%以下)の者
⑤低栄養状態またはそのおそれのある者
今回の選択肢はこの④に該当するため正しい組み合わせとなります。
⑷ 経口維持加算 誤嚥なく経口摂取できている者
経口維持加算の対象者の大前提として「経口摂取できていること」が挙げられますが
それに加えて、「摂食機能障害や誤嚥などが認められる」場合に対象となります。
イメージとしては
「このまま経口摂取が維持できるように“多職種でサポートしましょう”に加算されるもの。」です。
これも解き方テクニックですが、
「単純に、誤嚥なく経口摂取できている者が対象だと
ほとんどみんな対象になるのでは?
それなら普通の給食とほとんど変わらないのでは?
そんなものに経口維持加算とかわざわざ作らないでしょ。」という流れで
選択肢がバツであるとわかると思います。
⑸ 再入所時栄養連携加算 他の介護保険施設に転所した後、再入所した者
再入所時栄養連携加算の対象となるのは、
「介護保険施設に入所していた人が、医療機関に入院後、再び介護保険施設に入所した人」です。
入退院を経ることで、初回入所時に設定した栄養管理, 栄養ケア計画が大きく変わるので
それらに対応するための「加算」です。
これも解き方テクニックですが
選択肢が正しい場合、「介護保険施設A→介護保険施設B→介護保険施設A」と
入所者を移すだけで、入所者が何も悪くなっていなくても
算定対象になってしまいます。
「これで、算定取れるなら、全ての入所者を
施設間でキャッチボールするよなぁ。
そんなことありえるかなぁ。不正だよなぁ」という流れで
選択肢を削れると思います。
2024年10月10日時点での解説記事です。
今後、法改正などで変更になる場合があります。
記事公開から2〜3年経過後にこの記事をご覧になっている方は
特にその点をご留意ください。
文責:アヒル