38-123 消化器疾患の栄養管理に関する記述である。

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38-123 消化器疾患の栄養管理に関する記述である。最も適当なのはどれか。 1つ選べ。

 

⑴ 胃食道逆流症では、炭水化物を制限する。

⑵ 胃・十二指腸潰瘍では、たんぱく質を制限する。

⑶ たんぱく漏出性胃腸症では、たんぱく質を制限する。

⑷ 胆のう炎では、脂肪を制限する。

⑸ 胆石症では、炭水化物を制限する。

 

厚生労働省. 『第38回管理栄養士国家試験の問題(午後の部)』(2024) .

https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001218344.pdf, (2024年10月23日閲覧)

 

解答・解説を見る

 

⑴ 胃食道逆流症では、〔 脂肪 〕を制限する。

胃食道逆流症では胃酸の逆流を促進する脂肪の摂取を制限します。

脂肪は胃での滞留時間が長いため避けるべきで、

滞留時間が短い&胃酸分泌を促進しない炭水化物は制限する必要はありません。

また、可能であれば「少量頻回食」とし、

食後すぐに横になることを避ける(就寝直前を避ける&ファーラー位etc…)」ことで胃酸の逆流を抑制することができます。

 

⑵ 胃・十二指腸潰瘍では、〔 脂肪 〕を制限する。

(1)の解説の通り、脂肪は胃での胃での滞留時間が長いため、

胃での胃酸や消化酵素の分泌が多くなります

増えた胃酸や消化酵素によって潰瘍部分が悪化するため脂肪を制限する必要があります。

選択肢中のたんぱく質は潰瘍部分を修復するために必要な栄養素なので制限する必要はありません。

 

⑶ たんぱく漏出性胃腸症では、たんぱく質を制限する。

たんぱく漏出性胃腸炎は、血液中(血漿)のたんぱく質(アルブミンなど)腸管内に漏れ出てしまう疾病です。

血漿たんぱく質が腸管内に漏れ出てしまうことで低たんぱく質血症を起こしてしまいます

そのため漏れ出て失ってしまうたんぱく質を補給するために「高たんぱく質食」とします。

たんぱく漏出性胃腸炎は、クローン病や潰瘍性大腸炎などによるたんぱく質の漏出を指すので

「たんぱく漏出性胃腸炎」 ≒ 「クローン病や潰瘍性大腸炎など」と置き換えて考えてもOKで

これらの疾病で「高たんぱく質食」とするのは上記が理由です。

 

⑷ 胆のう炎では、脂肪を制限する。

正しい選択肢です。

胆のうは胆汁を蓄えておく臓器で、脂肪の刺激によって収縮し胆汁を分泌します。

この収縮による刺激を抑制し、炎症を悪化させないために脂肪を制限します。

 

⑸ 胆石症では、〔 脂肪 〕を制限する。

胆石症は、コレステロールなどが結晶化した「石」

胆のう出口〜十二指腸開口部までの管の間に詰まるような疾病です。

そのため、脂肪を摂取することで「胆汁, 膵液, 膵酵素」などが分泌されると

詰まった管の中に無理やり液体を流そうとすることになるので激しい痛みに襲われます。

そのため食事では脂肪を制限しこれらの分泌を抑制する必要があります。

 

 

と、いうわけで「脂肪を制限する疾病シリーズ」の中に

1つ違うものが混ざっている問題でした。

各疾病での特徴としてしっかり覚えておきましょう。

 

文責:アヒル


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