- 認知行動療法:ある状況に出くわした時に持つ感情と行動が、その状況をどうとらえるか(認知)によって影響を受けることに着目する[1]。
認知行動療法では「甘いものを食べ過ぎてしまう」という問題の行動自体だけではなく、
その行動のきっかけなどを行動分析により整理することで問題解決を目指す。
そして、
環境を変えられるのであればその環境を変える(刺激統制など)、
認知の問題なら認知を変える(認知再構成など)、というように解決策を検討する。
〇(1) 給湯コーナーに菓子を置かないよう、部署で相談するように勧める。
正しい選択肢である。
給湯コーナーに菓子があるという環境が原因で甘いものを食べ過ぎてしまうので、
その環境を変えること(刺激統制)が最も効果的だと考えられる。
環境を変えることが難しい場合に、ほかの方法を検討する。
※国試の選択肢としてはこれが最も適切であるのだろうが
対象者の職場での人間関係などを把握せず
「部署で相談する」よう勧めるのはいかがなものか・・・。
(2)
菓子を食べた時は、どれくらいの量を食べたか記録をつけるように勧める。
記録をつけることで〔 客観的に判断 〕することはできるが、
「食べ過ぎている場合にどうするか?」という支援が不足しているため
「最も適切な対応」とは言えない。(△くらいの選択肢である。)
(3) 菓子を食べ過ぎずに、我慢できた時のことを思い出してもらう。
我慢できたときのプラスの感情を用いて認知に影響を与え、
行動変容に繋げることは可能であるが
「つい食べ過ぎてしまう」という設問文から、
我慢できたときの感情だけで行動変容が可能かは怪しく、積極的な支援が必要であるため
この選択肢は「最も適切な対応」とは言えない。(寄りの△くらいの選択肢である。)
(4) 菓子を控えることにより検査値が改善された時の、自分の気持ちを想像してもらう。
(3)と同様に、ポジティブな感情だけで
「つい食べ過ぎてしまう」ことを克服できるのか?に疑問が残るため
この選択肢は「最も適切な対応」とは言えない。(寄りの△くらいの選択肢である。)
※引用元
[1] 厚生労働省,e-ヘルスネット 認知行動療法,https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/heart/yk-044.html(2024/8/29閲覧)
文責:アヒル(O)