- 栄養教育プログラムの目標設定には、学習目標、行動目標、環境目標、結果目標、実施目標がある。
・学習目標…最終的な目標を達成するために必要なスキルや知識に関する目標
・行動目標…学習目標をもととして、対象者の行動変容を進めるために必要な技術の習得、行動の修正、行動の継続を促すための具体的な行動の目標
・環境目標…対象者の生活環境や、社会環境および周囲の環境を改善するための目標
・実施目標…学習目標、行動目標、環境目標の達成のために実施すべきことに関する目標
・結果目標…対象者の健康状態の改善や、QOLの改善の目標。学習目標、行動目標、環境目標の成果をはかるもの。測定でき、定量データとして取り扱うことができるものが望ましい。
例えば、肥満を改善するための目標設定として以下の3つの文章は似ているが、
①「適切な食事量を知る」→学習目標(対象者自身が身に付けるべき知識)
②「毎日適量の食事をとる」→行動目標(対象者自身が身に付けるべき行動)
③「適切な食事量を指導する」→実施目標(栄養教育を行う側がするべき行動)になる。
⑴ 毎朝体重を記録する。 〔 行動目標 〕
肥満を改善するという目標に対して必要な、対象者自身の行動の目標である。
⑵ 家族が甘い飲み物を買い置きしない。 〔 環境目標 〕
家族は、肥満児童を取り巻く環境と捉えられるので、環境目標である。
⑶ 肥満度を改善する。 〔 結果目標 〕
肥満度は対象者の健康状態を測定でき、定量データとして取り扱えるため、結果目標として適している。
〇⑷ 継続的に月1回の頻度で指導を行う。 実施目標
正しい選択肢である。
学習目標、行動目標、環境目標を達成するために、
栄養指導を行う側が具体的に何をするのか、という部分が実施目標である。
⑸ 希望があれば、保護者にも個別カウンセリングを行う。 〔 実施目標 〕
保護者の存在は肥満児童を取り巻く環境であるが、
環境目標を達成するために必要なカウンセリングを行うのは、栄養教育を行う側の行動であり、実施目標である。
類似問題
35-107 テレワーク期間中に増えた体重を減らしたいと話す会社員を対象とした、栄養教育プログラムを計画している。
34-107 離乳食教室を企画する場合の、目標とその内容の組合せである。
文責:アヒル(O)