(1)急性肝炎の黄疸時には、脂質の摂取量を減らす。
⇒急性肝炎の食事療法は高エネルギー、高たんぱく、高ビタミン食が原則であるが、特に黄疸時には脂質の摂取を減らす。
〇(2)C型慢性肝炎では、鉄の摂取量を減らす。
⇒C型肝炎ウイルスに感染している人では、肝臓に鉄が過剰に蓄積してしまうことが分かっている。そのため、C型慢性肝炎では、鉄の摂取量を減らす。
(3)肝性脳症では、分岐鎖アミノ酸の摂取量を増やす。
⇒芳香族アミノ酸の摂取量は減らす。肝障害が進行すると、体内のアミノ酸のバランスが崩れ、フィッシャー比が低下する。
フィッシャー比とは、分岐鎖アミノ酸と芳香族アミノ酸のモル比のことである。
〇(4)急性胆のう炎では、脂質の摂取量を減らす。
⇒胆嚢は肝臓で作られた胆汁を貯めておく臓器である。胆嚢に貯められている胆汁は脂質の消化を助ける働きをもつ。
脂質の摂取によって、胆嚢の収縮を促進してしまうため、急性胆嚢炎では脂質の摂取量を減らす。
(5)急性膵炎の急性期には、急性期には厳密な絶飲絶食が必要。
⇒急性期には、厳密な絶飲絶食が必要であるが、急性期を過ぎて、膵臓の機能が回復するとともに徐々にたんぱく質摂取量も増加させていく。また、慢性膵炎では、低脂肪・高たんぱく質の食事とする。