39-196, 197 K市健康増進課の管理栄養士である。K市では過疎化が進み、小売店の閉店が相次ぎ、スーパーマーケットはK市郊外の1店舗を残すのみとなった。また、高齢者は身体活動の不足による食欲低下により、低栄養傾向にある者の割合が増加している。この対策として、K市は健康増進計画において、低栄養傾向にある者の割合の減少に関する10年間の目標を設定し、取組を行ってきた。

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39-196, 197 次の文を読み「196」、「197」に答えよ。

K市健康増進課の管理栄養士である。K市では過疎化が進み、小売店の閉店が相次ぎ、スーパーマーケットはK市郊外の1店舗を残すのみとなった。また、高齢者は身体活動の不足による食欲低下により、低栄養傾向にある者の割合が増加している。この対策として、K市は健康増進計画において、低栄養傾向にある者の割合の減少に関する10年間の目標を設定し、取組を行ってきた。

39-196 高齢者を対象に食事調査を行った。図は、食事バランスガイドのSVの目安量の範囲と、食事摂取量を比較した結果である。

この結果を踏まえた食事改善のための呼びかけとして、最も適切なのはどれか。1つ選べ。

⑴ エネルギーを摂るために、主食を増やしましょう。

⑵ たんぱく質を摂るために、主菜を増やしましょう。

⑶ 食物繊維を摂るために、副菜を増やしましょう。

⑷ ビタミンを摂るために、果物を増やしましょう。

 

 

39-197 K市の高齢者における低栄養傾向を改善するために、市内のスーパーマーケットの協力を得て、食環境整備を行うことにした。

このスーパーマーケットは、宅配サービスと移動販売車による販売の実績がある。

食環境整備の内容に関する記述として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。

⑴ 高齢者を対象に、宅配サービスを無料にしてもらう。

⑵ 移動販売車で扱う食品を増やし、巡回頻度を増やしてもらう。

⑶ 簡単に調理できる料理を店内で実演しその食材の販売コーナーを作ってもらう。

⑷ K市が低栄養改善のための料理レシピを考案し、店内に置いてもらう。

 

 

厚生労働省. 『第39回管理栄養士国家試験の問題(午後の部)』(2025) .

https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001428961.pdf, (2025年8月17日閲覧)

解答・解説を見る

 

39-196 高齢者を対象に食事調査を行った。図は、食事バランスガイドのSVの目安量の範囲と、食事摂取量を比較した結果である。

この結果を踏まえた食事改善のための呼びかけとして、最も適切なのはどれか。1つ選べ。

⑴ エネルギーを摂るために、主食を増やしましょう。

正しい。まず、問題文より「低栄養傾向にある者の割合が増加している」ことが背景にある。

また、グラフからK市の食事摂取量を確認すると、主食・副菜・果物の3種類が不足している

低栄養を改善するために、不足している上記3種のどれを積極的に摂ってもらうかを考えれば

主食の量を増やしてもらう呼びかけが最も適切であると考えられる。

 

⑵ たんぱく質を摂るために、主菜を増やしましょう。

たんぱく質の主な摂取源主菜と考えられ、

グラフ中の主菜の摂取量を確認すると、範囲内の者の割合が70%以上居るので

積極的に改善を呼びかける項目にはなり得ない。

 

⑶ 食物繊維を摂るために、副菜を増やしましょう。

グラフより、副菜の摂取量が少ないので改善を目指す必要があるが、

K市の栄養問題は低栄養であり、この状況で食物繊維(副菜)を増やしても

エネルギー産生栄養素(炭水化物、脂質、たんぱく質)の摂取量を増やすことにつながらない

 

⑷ ビタミンを摂るために、果物を増やしましょう。

エネルギー摂取源として、不足している果物を摂取するのは無意味ではない

少なくともビタミンを摂るために〜という選択肢の内容は不適となる。

また、(1)の主食を増やす方がエネルギー源の供給として適しているため、やはり、不適となる。

 

 


39-197 K市の高齢者における低栄養傾向を改善するために、市内のスーパーマーケットの協力を得て、食環境整備を行うことにした。

このスーパーマーケットは、宅配サービスと移動販売車による販売の実績がある。

食環境整備の内容に関する記述として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。

 

⑴ 高齢者を対象に、宅配サービスを無料にしてもらう。

低栄養の高齢者が多くスーパーが郊外の1店舗しかないK市

優先して取り組む食環境整備は、間違いなく「食物へのアクセス」である。

その上で、宅配サービスを無料にするのは、食環境整備を改善するためには有効であるが

無料化する予算は?という面で実行可能性がないことがわかり、不適切である。

問題文や選択肢には、市町村が負担するとも、スーパーが負担するとも書いていない。

スーパーが負担する場合収益率が悪化し、最後1店舗すら倒産・閉店する可能性が高まる

 

⑵ 移動販売車で扱う食品を増やし、巡回頻度を増やしてもらう。

正しい。

(1)の予算の問題をなくし、かつ、食物へのアクセスを改善できる

この選択肢が最も適していると考えられる。

 

⑶ 簡単に調理できる料理を店内で実演しその食材の販売コーナーを作ってもらう。

⑷ K市が低栄養改善のための料理レシピを考案し、店内に置いてもらう。

スーパーの店内での情報提供を充実させても、スーパーに来れない高齢者には届かず、

食物へのアクセスが改善する可能性は考えられない

※情報へのアクセスは多少改善するが、現時点での問題点はそこではない。

 

文責:アヒル


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