38-93 更年期の女性の生理的変化に関する記述である。

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38-93 更年期の女性の生理的変化に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。

 

⑴ インスリン感受性は、上昇する。

⑵ プロゲステロンの分泌量は、増加する。

⑶ 骨吸収は、抑制される。

⑷ 血中LDLコレステロール値は、低下する。

⑸ 血中HDLコレステロール値は、低下する。

 

厚生労働省. 『第38回管理栄養士国家試験の問題(午後の部)』(2024) .

https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001218343.pdf, (20241025日閲覧)

 

解答・解説を見る

 

卵巣の機能が徐々に消失し、月経が停止する前後5年程度の期間を更年期という。

更年期は以下のようなホルモン分泌の変化が起こり、身体に影響を与える。

 

卵巣から分泌されるホルモンが減少する

・卵巣の卵胞から分泌されるエストロゲン

・卵巣の黄体から分泌されるプロゲステロン

この2つのホルモンの分泌が減少する。

 

フィードバックで分泌が増加するホルモンがある

エストロゲン、プロゲステロンの減少により、

下垂体前葉からはこの2つのホルモンの分泌を促進するホルモン(卵胞刺激ホルモン黄体形成ホルモン)の分泌が増加する。

また、この2つのホルモン(卵胞刺激ホルモンと黄体形成ホルモン)の分泌を促進するために

視床下部での性腺刺激ホルモン放出ホルモンの分泌も増加する。

 

これらの「増加するホルモン’s」は

エストロゲンやプロゲステロンの分泌が低下し、不足しているので

もっとたくさん分泌しろ!!と命令するホルモンである。

 

また、エストロゲンには以下のような作用がある。

・脂質代謝の制御(LDLコレステロールやTGを減らし、HDLコレステロールを増やす)

・骨吸収の抑制

・インスリン抵抗性の抑制

・一酸化窒素産生(動脈硬化の抑制)

しかし、更年期ではエストロゲン分泌が抑制される為、これらの作用が減弱し、

脂質異常症、骨粗鬆症、耐糖能異常、動脈硬化などが起こりやすくなる。

 

⑴ インスリン感受性は、〔 低下 〕する。

エストロゲンにはインスリン抵抗性を抑制する作用がある。

更年期ではエストロゲン分泌量が減少するため、インスリン感受性が低下する。

=インスリンが正常に作用せず、血糖値が下がりにくくなるなど、耐糖能異常が起こりやすくなる)

 

⑵ プロゲステロンの分泌量は、〔 減少 〕する。

卵巣の機能が失われつつあるため、卵巣から分泌できるホルモンの量は減少していく。

 

⑶ 骨吸収は、〔 促進 〕される。

エストロゲンには骨吸収を抑制する働きがある。

更年期ではエストロゲン分泌量が減少するため、骨吸収が骨形成を上回り、骨密度の低下につながる。

 

⑷ 血中LDLコレステロール値は、〔 上昇 〕する。

エストロゲンには血中LDLコレステロールを減らす働きがある。

更年期ではエストロゲン分泌量が減少するため、

血中LDLコレステロール値が上昇しやすく、脂質異常症のリスクが高くなる。

 

⑸ 血中HDLコレステロール値は、低下する。

正しい文章である。

エストロゲンには血中HDLコレステロールを増やす働きがある。

更年期ではエストロゲン分泌量が減少するため、血中HDLコレステロール値が低下しやすく、脂質異常症のリスクが高くなる。

 

 

類似問題

36-92 更年期の女性にみられる生理的変化に関する記述である。

35-92 更年期の女性の生理的変化に関する記述である。

34-93 更年期女性の生理的変化に関する記述である。

32-95 更年期の女性に起こる変化である。

26-100 更年期の女性に起こる変化に関する記述である。

 

文責:アヒル(O)


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