38-65 魚介類の調理に関する記述である。

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38-65 魚介類の調理に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。

⑴ 生のひらめの肉質は、生のかつおに比べて軟らかい。

⑵ 筋形質たんぱく質の少ない魚は、煮ると身がしまって硬くなる。

⑶ 霜ふりは、魚に10%程度の食塩を振りかけることをいう。

⑷ 煮こごりは、筋原線維たんぱく質がゲル化したものである。

⑸ 魚肉に23%の食塩を加えてすり潰すと、粘りの強いすり身ができる。

 

厚生労働省. 『第38回管理栄養士国家試験の問題(午前の部)』(2024) .

https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001218343.pdf, (2024年8月24日閲覧)

 

解答・解説を見る

 

魚肉に関する問題では

 

○食肉たんぱく質の種類

 ・筋原繊維たんぱく質(アクチン, ミオシン)

  →筋肉として伸び縮みする組織(アクチンが動く方)

 ・筋形質たんぱく質(ミオグロビン, グロブリン, ミオゲン)

  ミオグロビン:ヘモグロビンに名前が似ているところからも分かるように

   赤色かつ酸素を蓄えているたんぱく質です。(赤身魚に多く含まれる)

 ・肉基質たんぱく質(コラーゲン, エラスチン)

 

○「赤身/白身」のそれぞれの特徴

などをしっかりしておきましょう。

 

⑴ 生のひらめの肉質は、生のかつおに比べて〔 硬い 〕。

ひらめ(白身魚)は、かつお(赤身魚)と比較すると、

筋形質たんぱく質(ミオグロビン)が少なく、筋原繊維たんぱく質(アクチン, ミオシン)が多くなっています。

筋原“繊維”なので、これが多いと硬い肉質になります。

 

※お刺身でも寿司でもいいんですが、
ひらめとか鯛(白身魚)って、結構薄く切ってあって、
マグロやカツオ(赤身)って、白身魚より分厚く切ってありますよね。
あれ、白身魚を分厚く切ると噛み切りにくくて食べづらいからなんですよ。
仮にわからない問題が出ても、そういった普段見ているものから想像できたりもするので
試験時間中、諦めずに解いてくださいね。

 

⑵ 筋形質たんぱく質の少ない魚は、煮ると身が〔 もろくなる 〕。

(1)の解説をふまえると、「筋形質たんぱく質の少ない魚白身魚」です。

白身魚(鯛やカレイ)を加熱するともろくなります。

煮付けなどをイメージするとわかりやすいです。

ちなみに赤身魚(マグロやカツオ)を煮るとかなりしっかりした歯応えの煮付けになります。

これも食経験があったり、一度料理を見ていたりすれば
無理やり想像して解けるかなと思うので勉強の合間に画像検索してみましょう。

 

⑶ 霜ふりは、〔 熱湯にくぐらせるなど、表面をさっと加熱する 〕ことをいう。

霜降りとは、魚の臭みをとるための方法で

魚にお湯をかけたり、お湯に浸ける操作のことを指します。

加熱することで魚の表面が白くなり「霜がおりた」ようになるので
霜降りと呼ばれます。

 

⑷ 煮こごりは、〔 肉基質たんぱく質 〕がゲル化したものである。

肉基質たんぱく質(コラーゲン)水を加えて加熱すると「ゼラチン」に変わります。

このゼラチンが煮汁を固める(ゲル化する)ので煮こごりが生じます。
ゼリーを固めるゼラチンもウシなどの肉基質たんぱく質由来で製造しています。

 

⑸ 魚肉に23%の食塩を加えてすり潰すと、粘りの強いすり身ができる。

正しい文章です。魚肉に2~5%(多い場合は10%程度まで)の食塩を加えてすり潰すと

魚肉中の筋原繊維(アクチンミオシン)が結合してアクトミオシンになります。

このアクトミオシンがすり身独特の粘りを生み出しています。

さらにこれを加熱するとアクトミオシン同士が網目状に絡み合い

かまぼこなどの弾力性をもった練り物製品が出来上がります。

紀文のHPでは非常に細かく説明してくれているので
一度みてみることをおすすめします。(網目状構造の写真が載っています。)
https://www.kibun.co.jp/knowledge/neri/basics/siokanetsu/index.html

 

文責:アヒル


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