(1) 黄体形成ホルモン
(LH)は、排卵を〔
促進 〕する。
黄体形成ホルモン(LH)は排卵を促進するホルモンです。
排卵前後の細胞の変遷は下記のようになります。この流れだけでもまずはしっかり覚えてください。
原始卵胞→発育卵胞→成熟卵胞→(排卵)→黄体→白体
さらにイメージとして成熟卵胞は卵子を抱えている細胞で、
成熟卵胞が排卵(抱えている卵子を放出)すると、残った部分は黄体になります。
例) 鶏卵を割って中身を皿に移す。
→「可食部が卵子、鶏卵の殻の部分が黄体」みたいなイメージ。
それではここで質問です。「黄体形成ホルモン」は読んで字のごとく
「黄体」を「形成」する「ホルモン」です。
黄体を形成するには何をすればいいでしょうか?
「成熟卵胞に排卵させれば、黄体を形成できる」はずです。
なので「黄体形成ホルモン」のはたらきは「排卵を促進する」になります。
ちなみに原始卵胞→発育卵胞→成熟卵胞→(排卵)→黄体→白体のなかで
「卵胞刺激ホルモン(FSH)」はどこに関与すると思いますか?
卵胞を刺激する場所なんて最初の卵胞の成熟の場所しかなさそうですよね。
なので卵胞刺激ホルモンは卵胞成熟を促進します。
〇(2) ドーパミンは、プロラクチンの分泌を抑制する。
正しい文章です。
カテコールアミン系のホルモンである
ドーパミンは視床下部から分泌されるホルモンで、
下垂体前葉から分泌されるプロラクチン分泌を抑制しています。
ちなみにプロラクチン(prolactin)は
pro〜:ギリシャ語で「前へ進める」
lact :乳(ラクトースと同じ語源)
〜in :促進する系ホルモンの語尾(ラテン語由来, インスリンなど)
なので、はたらきを聞かれたら「乳汁の何かを促進してるんだろうな(正確には乳汁産生)」と推測してみてください。
※ドーパミン(dopamine)は名前の通りアミン(amine)から名前が来ているので「〜in」ではないです。
(3) 抗利尿ホルモン不適合分泌症候群
(SIADH)では、〔
低ナトリウム血症 〕がみられる。
「抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)」は
「抗利尿ホルモン(バソプレシン)」が「不適合分泌(必要以上に分泌)」する症候群です。
バソプレシンが過剰分泌されるため、
「腎臓での水分の再吸収」が過剰に行われ
循環血液量の増加が生じます。
一方でナトリウムの量は変わらないので水分だけが増え、
結果的に「低ナトリウム血症」になってしまいます。
(4) 先端巨大症では、血中成長ホルモン値が〔
高値 〕である。
先端巨大症は成長ホルモンが過剰分泌されることで生じるもので、アゴや手足などの体の先端が巨大になる疾病です。
成長ホルモンが分泌される下垂体に「腺腫」が生じることで、ホルモンが過剰分泌され、この疾病に至ります。
(5) クッシング病では、血中副腎皮質刺激ホルモン
(ACTH)値が〔
上昇 〕する。
クッシング病では下垂体に生じる腺腫などによって、
副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)が過剰に分泌され、
その結果、「副腎皮質ホルモン(コルチゾールなど)」も
過剰に分泌されてしまう疾患です。
名称がややこしいですが「クッシング症候群」では副腎に腺腫が生じ
「副腎皮質ホルモン(コルチゾールなど)」が過剰分泌されてしまう疾患です。
クッシング症候群では「下垂体」の働きは正常なままなので
「副腎皮質ホルモンの分泌過剰」を感知した下垂体は
「ネガティブフィードバック」により「副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)分泌を抑制」します。
「クッシング病」と「クッシング症候群」
まさかこんなひっかけが出るとは・・・といった内容ですが
しっかり把握しておきましょう。
文責:アヒル