38-29 腎臓の構造と機能に関する記述である。

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38-29 腎臓の構造と機能に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。

⑴ 尿細管は、糸球体とボーマン嚢で構成される。

⑵ ヘンレ係蹄は、遠位尿細管と集合管との間に存在する。

⑶ 健常成人の1日当たりの糸球体濾過量は、約1.5Lである。

⑷ クレアチニンは、糸球体で濾過される。

⑸ イヌリンは、尿細管で再吸収される。

 

厚生労働省. 『第38回管理栄養士国家試験の問題(午前の部)』(2024) . https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001218343.pdf, (2024年7月19日閲覧)

 

 

解答・解説を見る

 

 

腎臓、特に糸球体に関連する問題は頭の中で「血液が濾過されて尿になるまで」の

一連の流れをイメージするようにしましょう。

また「〜〜は濾過される」という言葉が

「糸球体に残るものなのか、出てくるものなのかわからない」

という質問をよく受けますが

「濾過」=「通過」です。同じ「過」という字で覚えましょう。

ですので、「濾過されるもの」=「原尿として出てくる」ものです。

これを踏まえて見ていきましょう。

 

(1) 〔 腎小体 〕は、糸球体とボーマン嚢で構成される。

腎臓はネフロンという最小単位が集まった構造をしています。

ネフロンはさらに「腎小体」と「尿細管」に分けられます。

これらはさらに分けることができ、それぞれ下記の通りです。

腎小体」→「糸球体」と「ボーマン嚢

尿細管」→「近位尿細管」と「ヘンレ係蹄」と「遠位尿細管

 

(2) ヘンレ係蹄は、〔 近位尿細管 〕と遠位尿細管との間に存在する。

ヘンレ係蹄(ヘンレループ)は近位尿細管と遠位尿細管の間にある「下がって上がってくる折り返し」の部分です。

 

(3) 健常成人の1日当たりの糸球体濾過量は、〔 約150Lである。

糸球体を濾過される量」=「原尿」です。

原尿は1日あたり150L程度作られますが、そのうちの99%は再吸収され

実際に尿として排泄されるのは1.5L程度です。

「尿の100倍ぐらいが原尿(糸球体を通過)」と考えると覚えやすいと思います。

 

(4) クレアチニンは、糸球体で濾過される。

正しい文章です。糸球体で濾過されそのまま尿として排泄されます。

クレアチニンは筋肉で合成され、そのまま尿として捨てられるのですが

腎臓が悪くなると、うまく濾過できなくなり捨てられないので

血中のクレアチニンが高値となります。

 

(5) イヌリンは、尿細管で〔 再吸収されない 〕。

、糖やアミノ酸などのエネルギー源, ナトリウムやカルシウムなどの電解質といった

生きるために必要な物質が尿細管で再吸収されます。

イヌリンはゴボウやキクイモに含まれる水溶性の食物繊維

様々な三次機能を示すが、上記のような生命に必須の化合物ではないため

再吸収されません。

 

 

文責:アヒル


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