〇(1) 僧帽弁は、2枚の弁尖からなる。
正しい文章です。僧帽弁は左心房と左心室の間にある弁で、
ここだけ「2枚の弁」から構成されます。他は全て3枚です。
左心室の筋肉が厚かったり、何かと「左」が特殊なのが心臓です。
(2) 〔
2本 〕の冠状動脈が、大動脈から分枝する。
大動脈から分岐する冠状動脈は「2本」で、左右に分岐します(右冠状動脈&左冠状動脈)。
そして左冠状動脈は、さらに2本に枝分かれします(左前下行枝, 回旋枝)。
ここでも左が特徴的な性質を持っていますね。
(3) 心電図の
P波は、〔
心房 〕の興奮を示す。
心電図の波は主にP, Q, R, S, Tの5つの波があります。
P波は心房の興奮, QRS波は心室の興奮, T波は脱分極性, (U波:覚えなくて良い)です。
覚えるコツは思いつきません。何かあれば教えてください。
アヒルは「上(心房)から順番, Pから順番」としか覚えていませんでした。
(4) 安静時の心拍出量は、成人で〔
約5L/分 〕である。
成人の安静時の拍動は約60〜80回/分です。そして1回あたり60~80mL程度の血液が拍出されます。
拍動 x 拍出量 = 4〜6L程度となるので、中間値を採用するなら約5Lとなります。
教科書や参考書によって拍動や拍出量は前後しますが
アヒルは覚える量を減らすために「どちらも一緒で60〜80」と覚えました。
覚えていない場合の、試験中の考え方(苦肉の策)ですが
選択肢どおり、1分あたり20L拍出されると考えてみます。
安静時の1分間の脈拍(拍動)が80回くらい(試験中に手首で測れば良い)と考えると
1回の拍動で250mL出ていくことになります。
そもそも、心臓は握りこぶし1つ分か、それよりも少し大きいくらいの臓器です。
その臓器の下半分(心室)が拍動して250mLも液体を出せるでしょうか?
500mLのペットボトル1本の半分が潰れて250mLです。
500mLのペットボトルほどの拳の人がほとんどいないことを考えると
1分あたり20Lの拍出は多すぎるとわかります。
(5)
ANP(心房性ナトリウム利尿ペプチド
)は、血管を〔
拡張 〕させる。
一般的な教科書や参考書には
ANP(心房性ナトリウム利尿ペプチド)やBNP(脳性ナトリウム利尿ペプチド)は
血管の平滑筋を拡張させ、ナトリウムや水の再吸収を抑制するため血圧を下げるはたらきがあります。
と書いてあります。正しい文章なので、そのまま覚えてもいいのですが
そもそも「〜〜利尿ペプチド」なので、名前から「利尿作用がある(尿量を増やす)」とわかると思います。
尿量が増えるということは水を体外に捨てているので、循環血液量は減っているはずです。
「循環血液量が減る」=「血圧が下がる」なので
「〜〜性ナトリウム利尿ペプチド)」は「血圧を下げる系のホルモン」であると考えられます。
では、血管壁が収縮するときと拡張するとき、
どちらが血圧を下げますか?拡張ですよね。
ANP, BNPのはたらきは1つ1つ覚えるよりも名前から
「血圧を下げる系のホルモン」と推測できれば、たいてい解けると思います。
例題) BNPはナトリウムの排泄を〔 促進 or 抑制 〕
文責:アヒル