(1) 胃底部は、胃体部と〔
噴門部 〕の間にある。
胃の構造(名称)に関する問題です。
第29回の応用力試験では胃のイラスト付きで出題されていました。
食道〜「噴門〜胃底部〜胃体部〜前庭部〜幽門」〜十二指腸となります。カッコ内が「胃」です。
・噴門と幽門は「ふんもん」と「ゆうもん」で五十音順に登場するで覚えましょう。
・「胃底部」は底と名前がつくわりに天井側です。
ここはイメージしづらいので頑張って覚えましょう。「天井が底」です。
・「胃体部」は体なので真ん中かな?とイメージしやすいと思います。
・前庭部は他にも幽門部など別の名前があったりするので
「上記を覚えて消去法で・・・。」くらいに考えておきましょう。
29回の応用力試験はこちらから。上記がわかれば解けます。
https://nstudy.info/29-195/
(2) セクレチンは、胃酸分泌を〔
抑制 〕する。
セクレチンは十二指腸のS細胞が胃酸(塩酸)を感知した際に分泌される消化管ホルモンです。
このセクレチンは胃酸を中和するために大きく2つのはたらきをします。
ひとつ目は「膵臓に依頼して、アルカリ性の膵液(重炭酸イオン)を分泌してもらう」です。
単純にアルカリ性のものを出してもらって「胃酸を中和」します。
そして、ふたつ目が「胃酸分泌の抑制」です。
せっかく、アルカリ性の膵液を準備して中和しても、胃からどんどんどんどん、次から次へと胃酸が出てきたら
いつまで経っても中和が完了しません。
ですので、セクレチンは中和を完了させるために「胃酸分泌の抑制」をします。
ホルモンのはたらきなどは難しいと思いがちですが、
案外、ホルモンの目的はひとつしかなく、
「目的のために、ありとあらゆる手段を活用する」くらいに考えると
繋げて覚えることができると思います。
(3) 肝洞様毛細血管
(類洞
)は、〔
肝細胞と肝細胞 〕の間を走行する。
正直、初見では解けない(しかも過去問で見たこともない)、かなり難しい内容です。
(※個人的な感想ですが、選択肢(4)を明確な正解と見抜いて、コレには触れない方がいいくらいだと思っています。)
肝洞様毛細血管(類洞)とは肝動脈(動脈血)と門脈(静脈血)が合流し、
肝細胞たちに酸素と栄養素を供給するような血管です。(出口は中心静脈です。)
酸素や栄養素を受け取るためにこの血管の周りに肝細胞が集結しています。
ゆえに肝洞様毛細血管(類洞)は肝細胞と肝細胞の間を走る血管ということになります。
検索すると画像が出てくると思うので一度見てみることをお勧めします。
〇(4) 直接ビリルビンは、水溶性である。
正しい文章です。
ヘモグロビンの分解から生じたビリルビンは、そのままでは体外に排泄できないため
肝臓で「グルクロン酸抱合」という処理をおこない「水溶性」に加工してやる必要があります。
加工後のビリルビンは直接捨てることができるので「直接ビリルビン」と呼ばれ、
加工前のビリルビンは「間接的に(加工さえすれば)、捨てられるビリルビン」という意味で「間接ビリルビン」と呼ばれています。
(5) 〔
マルターゼ 〕は、マルトースをグルコースに分解する。
マルトースを分解する酵素は「マルターゼ」で小腸膜表面に存在し「膜消化」に関与します。
α-アミラーゼはアミロースやアミロペクチンをザク切り(端からひとつひとつではなく、ランダムにザクザク切る)する酵素です。
セクレチンやマルターゼ, アミラーゼは
基礎栄養学の分野でも出題されうるのでしっかり理解しておきましょう。
口から〜大腸までの消化・吸収(・代謝)と消化管ホルモンは絶対に理解しておく必要があります。
文責:アヒル
忘れもしませぬ、あれはアヒルが受けた第29回の国試でのこと。
応用力試験の問題には胃のイラストが書いてあり、各部位の名称を答える問題でした。
自己採点後、「なんで、てっぺんにあるのに胃底 部なん?名付けたやつやばくね?」とボヤきましたが
解剖学的に正しい名付け方のようで、それ以来アヒルは胃の話をするたびにてっぺんが底と教えています。。。