38-129 65 歳、男性。膜性腎症によるネフローゼ症候群。身長 165 cm、体重 65 kg、標準体重 60 kg。血圧 112/64 mmHg。空腹時血液検査値は、アルブミン 2.0 g/dL、 HbA1c 5.4%、LDL コレステロール 200 mg/dL、カリウム 3.5mEq/L。尿たんぱく4.0 g/日。全身に浮腫があり、利尿薬を使用している。この患者の 1 日当たりの目標栄養量に関する記述である。

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38-129 65 歳、男性。膜性腎症によるネフローゼ症候群。身長 165 cm、体重 65 kg、標準体重 60 kg。血圧 112/64 mmHg。空腹時血液検査値は、アルブミン2.0 g/dL HbA1c 5.4%、LDL コレステロール 200 mg/dL、カリウム 3.5mEq/L。尿たんぱく 4.0 g/日。全身に浮腫があり、利尿薬を使用している。この患者の 1 日当たりの目標栄養量に関する記述である。最も適当なのはどれか。 1つ選べ。

 

⑴ エネルギーは、20 kcal/kg 標準体重とする。

⑵ 脂肪エネルギー比率は、35E とする。

⑶ たんぱく質は、0.8 g/kg 標準体重とする。

⑷ 食塩は、 3 g 未満とする。

⑸ カリウムは、2,000 mg 未満とする。

 

厚生労働省. 『第38回管理栄養士国家試験の問題(午後の部)』(2024) .

https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001218344.pdf, (2024年10月27日閲覧)

 

解答・解説を見る

 

⑴ エネルギーは、〔 35 kcal/kg 標準体重 〕とする。

→ネフローゼの場合、エネルギーは35 kcal/kg 標準体重/日で計算します。

なお、高齢者や肥満者においては上記から少し減らすことを検討することがありますが

20kcal/kg 標準体重/日は低すぎます。

※20 kcal/kg 標準体重/日は高度肥満症くらいでしか出題されません。

 

⑵ 脂肪エネルギー比率は、〔 20〜25%Eとする。

この患者はLDLコレステロール値200mg/dLで高LDL血症を併せ持つため、

脂肪エネルギー比率は20%〜25%で計算します。

※なお、高LDL血症に気づかなかった場合でも
脂肪エネルギー比率35%Eに該当する疾病はCOPDくらいで
ネフローゼ症候群の値としては高すぎます

 

⑶ たんぱく質は、0.8 g/kg 標準体重とする。

正しい選択肢です。

この問題の「膜性腎症によるネフローゼ症候群」は、

微小変化型ネフローゼ以外のネフローゼ症候群」であるため

たんぱく質は0.8 g/kg 標準体重/日で計算します

 

⑷ 食塩は、5 g 未満 〕とする。

(3)の解説の通り、この患者は「微小変化型ネフローゼ以外のネフローゼ症候群」であるため

食塩の制限は5g未満に設定します。

急性腎炎などの一部の腎疾患では食塩を3g未満に設定することもありますが

急性期(or乏尿期)などの重篤な場合が多く、この問題の患者には厳しすぎる制限となります。

※国試を解くだけであれば「CKDなども含めて、全てまとめて6g未満」と覚えておき
3g未満に制限するものだけ覚えていてもいいかもしれません。
国試ではこの問題のように極端な誤肢か正答でしか出題されません。

 

⑸ カリウムは、〔 血清カリウム値に応じて制限 〕する。

ネフローゼの場合、カリウムは血清カリウム値5.5mEq/L以上で制限の対象となるが

「2000mg未満」などのように一律の値ではありません

なお、この問題では血清カリウム値3.5mEq/Lであるため、

そもそも制限の対象になりません

 

文責:アヒル


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