38-127 脳梗塞の入院患者。ワルファリンによる薬物治療が開始となり、併せて栄養食事指導を行うことになった。薬物との相互作用の観点から注意すべき食品として、最も適当なのはどれか。

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38-127 脳梗塞の入院患者。ワルファリンによる薬物治療が開始となり、併せて栄養食事指導を行うことになった。薬物との相互作用の観点から注意すべき食品として、最も適当なのはどれか。 1つ選べ。

⑴ みかん

⑵ カリフラワー

⑶ 牛乳

⑷ コーヒー

⑸ 青汁

 

厚生労働省. 『第38回管理栄養士国家試験の問題(午後の部)』(2024) .

https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001218344.pdf, (2024年10月27日閲覧)

 

解答・解説を見る

 

ワルファリン(ワーファリン)は「抗凝固剤(血液をサラサラにする薬)」です。

このワルファリンは、ビタミンK依存性血液凝固因子(V.Kが関与する血液を固める因子)を阻害することで

「抗凝固剤」として作用します。

ですので、せっかくワルファリンでビタミンKを阻害し血液をサラサラにしようとしても

食事からビタミンKをたくさん摂取するとワルファリンがビタミンKを阻害しきれなくなり

薬の効果が減弱してしまいます。

そのためワルファリン服用者はビタミンKを多く含む食品の摂取に気をつける必要があります。

ですのでこの問題は、読み替えると「ビタミンKを多く含む食品はどれですか?」ということになります。

 

それぞれのビタミンK含有量は以下の通りとなります。

成分値は日本食品標準成分表2020年版(八訂), 増補2023年版より抜粋

 

⑴ みかん

→うんしゅうみかんには果実・果汁問わずビタミンKが含まれていない

 

⑵ カリフラワー

→カリフラワーには可食部100 g当たり17 µg(ゆでた場合は100 gあたり31 µg)のビタミンKが含まれている。

カリフラワーにビタミンKは含有されているものの(5)の青汁ほどではないため不適となる。

ただし、似た形状の食品である「ブロッコリー」では

100 gあたり200 µg程度と10倍近いビタミンKが含まれるためこちらは注意が必要な食品となる。

 

⑶ 牛乳

→牛乳には100 g当たり2 µgのビタミンKが含まれる。

 

⑷ コーヒー

→コーヒーにはビタミンKが含まれていない

 

⑸ 青汁

→し好飲料の青汁(ケール)には100 g当たり1500 µgのビタミンKが含まれている。

 

 

上記のように青汁は非常に多くのビタミンKを含有しており

ワルファリン服用時、摂取に注意が必要な食品となる。

上記の食品の他にビタミンKを多く含む食品として

糸引き納豆(870µg)や、モロヘイヤ(640µg), ほうれんそう(270µg), こまつな(210µg)などがある。
※後者3つはいずれも生・可食部100gあたり

 

 

文責:アヒル


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