まずは、この問題は「患者が80歳で2型糖尿病である」という点をおさえましょう。
その上で、「糖尿病治療ガイド」をもとに考えていきます。このガイドラインでは
「最初に1日のエネルギー摂取量を設定し、そのうち40〜60%Eを炭水化物、たんぱく質は20%Eまでで設定し、残りを脂質とする」旨が記載されています。
この値を用いて計算することになります。
まず目標体重ですが、75歳以上ではBMI22.0〜25.0を用います。
身長が1.4mなので
目標体重(BMI22~25) = 1.4 × 1.4 × (22 〜 25) = 43.2 〜 49 kg
また「軽労作」と記載されているため25〜30kcal/kg目標体重/日で計算します。
よって、(43 〜 49 kg) × (25〜30kcal) = 1075 〜 1470 kcalとなります。
この時点で選択肢は(3)1200 kcal, (4)(5)1400kcalに絞ることができます。
そして対象者が高齢者のため「フレイル予防」として
エネルギー摂取量を十分に摂る必要があることから
上限に近い1400kcalが妥当であると考えられます。
つぎに、たんぱく質についてですが
こちらもフレイル予防のために上限の20%Eを用いると
1400kcalの20%E(上限) → 280kcal = たんぱく質70gとなります。
故に選択肢
(5)エネルギー1400kcal, たんぱく質70g
が正答になります。
ちなみに、この手の問題で困ったときは
とりあえず「エネルギー:30kcal/kg目標体重/日」でエネルギーを計算。
BMI23なので45kgでもOKだろうと想定。
45kg × 30kcal/kg目標体重/日 = 1350 kcal ≒ 1400 kcal (4)or(5)に絞れる
1400kcalの15〜20%E分のたんぱく質
→ 52.5 g 〜 70 gとなり
(5)が正答と考えることもできます。
15%〜20%の理由は38-86 日本人の食事摂取基準(2020年版)における高齢者に関する記述である。を参照してみてください。
文責:アヒル