38-60, 36-60では酵素と基質の問題が出題されている。
また37-60には具体的な利用方法が出題されており、よく出題される傾向にある。
⑴ 水あめ 〔 アミラーゼ 〕
水あめは主にでんぷんをアミラーゼなどで分解し製造する。
インベルターゼ(別名:サッカラーゼ)は、転化糖(ショ糖をブドウ糖と果糖に分解したもの)の製造に用いられる。
⑵ カップリングシュガー 〔 シクロデキストリングルカノトランスフェラーゼ 〕
カップリングシュガーは、ショ糖(フルクトース+グルコース)にグルコースを更に結合させたものを指す。
つまり、フル+グル+グルのオリゴ糖である。
この製造で用いられる酵素は「シクロデキストリングルカノトランスフェラーゼ」であるが
おそらく覚える必要はない。
この問題でも、食品製造には基本的に用いられないカタラーゼがペアで出題されており
「明確な誤り」とわかればそれで良い。
※カタラーゼは人体の範囲、特に生化学が絡む問題で出てくる酵素で、
体内で発生した過酸化水素を酸素と水に分解する。
〇⑶ 果糖ぶどう糖液糖 グルコースイソメラーゼ
正しい。38-60(4)に出題されている。
イソメラーゼの語源のisomerは異性体という意味で
「グルコース→フルクトース」をおこなう酵素で、「異性化糖の製造」に用いられる。
この問題のイソメラーゼと(1)のインベルターゼがよく混同するので注意が必要である。
イソメラーゼ:グルコース→フルクトースにして異性化糖の製造に利用される。
インベルターゼ:ショ糖→グルコースをフルクトースに分解し、転化糖の製造に利用される。
⑷ 食用油脂 〔 基本的に使用しない 〕
食用油脂の製造には特に酵素は使用しない。
脂肪酸組成を変えるためにリパーゼなどを用いることはあるが全てではない。
⑸ 成形肉 〔 トランスグルタミナーゼ 〕
成形肉やかまぼこの製造にはトランスグルタミナーゼが用いられる。
選択肢のペクチナーゼは果汁の清澄化に用いられる。
文責:アヒル