⑴ ハリス-ベネディクト(Harris–Benedict)の式で算出された値は、〔 基礎代謝量 〕である。
⑵ ハリス-ベネディクト(Harris–Benedict)の式には、〔 年齢・身長・体重 〕を用いる。
ハリス-ベネディクト(Harris–Benedict)の式は、
年齢・身長・体重の3項目を用いて基礎代謝量を算出する計算式である。
基礎代謝量を算出後、身体活動レベルを掛けるとエネルギー必要量を算出することができる。
(※乳児・幼児・妊娠期・授乳期・ストレス係数など、追加する例外あり)
⑶ 脳梗塞により意識障害をきたした患者のエネルギー必要量は、基礎代謝量の〔 1.0〜1.2倍 〕とする。
「脳梗塞により意識障害をきたした患者」なので
・ベッド上寝たきりと考えて活動係数は1.0〜1.1倍
・発熱や感染症、術後、熱傷ではないので、少なくとも1.2倍以上にはならない
これらを踏まえると1.5倍は高すぎるため誤りとなる。
〇⑷ 安静時エネルギー消費量は、間接熱量計で測定できる。
正しい。間接熱量計は、酸素マスクのようなものを装着し
酸素消費量と二酸化炭素排出量を測定することで、体内のエネルギー消費量を算出する方法である。
ダグラスバッグ法などを見たことがあると思う。
⑸ 重症熱傷患者では、NPC/Nを健常時より〔 NPC/N比は低くなる 〕する。
NPC/N比(非たんぱく質エネルギー/窒素比)は、
たんぱく質以外からのエネルギー摂取量(kcal) ÷ 窒素(g) で計算することができる。
さらに、計算式から「食事中のたんぱく質を減らせば減らすほどNPC/N比が高くなる」こと、
反対に、「食事中のたんぱく質を増やせば増やすほどNPC/N比が低くなる」ことがわかる。
※「分数の分子(kcal)が大きくなり、分母(g)が小さくなる」または
「分数の分子(kcal)が小さくなり、分母(g)が大きくなる」から。
重症熱傷時は、一般的にたんぱく質を増やす必要があるため
NPC/N比は低くなる。
例題
糖質1200kcal, 脂質500kcal, たんぱく質300kcal (P15%E, F25%E, C60%E)の場合のNPC/N比を求める。
まず、たんぱく質以外からのエネルギー摂取量(kcal)は、1200kcal + 500kcal = 1700kcal となる。
次に、窒素(g)は「たんぱく質(kcal)→たんぱく質(g)→窒素(g)」と変換すれば算出できるので
たんぱく質(kcal)→たんぱく質(g):300 (kcal) ÷ 4 (kcal/g) = 75 (g)
たんぱく質(g)→窒素(g) :75(g) ÷ 6.25 = 12 (g)となる。
よってNPC/N比は、1700 kcal/12 g ≒ 141.7となる
文責:アヒル